2021年3月21日(日) 1回阪神12日
前日と違って日曜日の阪神は、終日雨で芝は重馬場、ダートは不良馬場でした。レースラップは前半62.4、中盤63.2、後半61.7。後半はほとんどギアを上げるところがなく、消耗戦ではありますが、4番手以降はそこまで厳しい流れではなかったかも。そんな中で、ディープボンドは後続に5馬身差をつけての完勝。プラス10㎏の馬体は迫力十分でした。道中は前から少し離れた4番手を追走し、終始スムーズな競馬ができました。追い上げ態勢に入った勝負どころの手応えは抜群。やはり長い距離が合っています。距離が延びたことによって自分の競馬ができたとも言うべきでしょうか。ちなみに、この日は各地で雨が降り、他の中京、中山も道悪競馬。そんな中で、本馬を含めてキズナ産駒は中央6勝(芝2勝、ダート4勝)と大活躍でした。個人的には産駒特有の気持ちの強さが厳しい環境でも力を発揮させるのではと推察します。
②着には前回覇者ユーキャンスマイルが入りました。レース後のコメントで、「スタート次第では先行することも考えていました」とありますが、スタートですぐ外のツーエムアロンソに出られたこともあって、昨年同様、後方から。ただ、馬場もあってか、勝負どころの追い上げは昨年ほどの勢いはありませんでした。直線で外に出して脚を伸ばしましたが、勝ち馬が強かったです。それでも、復調の兆しは見えました。武豊騎手が負傷のために乗り替わった藤岡佑介騎手は最低限の仕事は果たしたと言えるでしょう。データ室は残念ながら外れましたが、経験馬がワンツーと菊花賞が縁深いレースであることは間違いありません。
続いて人気薄のナムラドノヴァン、シロニイが③④着。ナムラドノヴァンは最後方からじっくりと。勝負どころは②着馬の内。そのため前が壁になり、少し踏み遅れた感じ。そこから外に切り返した時にロスが生じました。結局、レース最速タイの上がりで伸びてきましたが、②着馬とはそこでついた差のままゴール。それでも、右回り、別定56㎏をクリアした内容は評価できます。シロニイは上位から離されましたが、一緒に前へ行った2頭が最下位とブービーだったことを考えると優秀。雨で時計、上がりのかかる競馬になったとはいえ、G2でこの頑張りは立派です。
単勝1.3倍と断然の1番人気に支持されたアリストテレスは、まさかの⑦着。正直、不良馬場のAJCCでも勝っており、死角らしい死角はないと思っていました。道中は馬と鞍上が喧嘩している感じ。位置取りとしては勝ち馬をマークする形でしたが、手応えの面では明らかに劣勢でした。直線で一瞬伸びかけましたが、左ムチを入れられると内へ内へ。修正するために減速したところで試合終了。ルメール騎手は、「馬場の影響かも」と。ただ、本当にそうなのか。昨年の連勝中でも「途中からズブくなって難しい面を出していた」、「まだヤンチャで、ソラを使うところがあった」というコメントが聞かれました。結果が出ていただけに見えづらかっただけで、個人的には精神面の弱さが顔を出したような気がします。それが道中の力みとなり、長丁場での道悪も加わって最後に疲れとなって現れたかなと。
text by 小林
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