2021年3月20日(土) 2回中京3日
GIホースの参戦で注目度は例年以上となった今年のファルコンS。勝ったのは単勝3番人気のルークズネスト。騎乗した幸英明騎手は2003年のギャラントアローで勝って以来、このレース2勝目。管理する浜田多実雄調教師は初勝利です。
レースはどの馬もハナを主張しないまま200mを過ぎたところでルークズネストが先頭に立ち、前半の600mが33秒7。これは9Rの4歳上1勝クラスより0秒5速い程度。朝日杯FSで逃げたモントライゼが中団に控え、人気のグレナディアガーズが2番手集団にいたことで動きが少なくラップタイムほどの激しさも感じられず、先行馬には有利な展開になりました。
勝ったルークズネストは5戦目にして初めての逃げ。レース後に幸騎手は「極端な枠だったので行くか控えるか迷いましたが、楽に行けたのでハナに」と話しているように、枠順が決まった時点でこのプランもあったようです。少し行きたがった程度で折り合いは付いた方。コーナーはラチ沿いを通りましたが、直線に向くと徐々に外へ出してグレナディアガーズに併せる形。一旦は僅かに交わされましたが、差し返す根性を見せてアタマ差前に出たところがゴール。半姉ペコリーノロマーノは全3勝中2勝が中京の芝1400mで血統的な適性が高いのかもしれませんが、シンザン記念②着に続く好走で初重賞制覇。粗削りな部分がなくなれば、NHKマイルCでも期待できそうです。
GIホースのグレナディアガーズは距離短縮、前半のペースも朝日杯FSと同じくらいでしたが「道中はかなり力んでいましたね」レース後の川田騎手はコメント。その分が最後に差し返されたところに出たのでしょうが、こちらは休み明けで目標は先。平常心でさえ臨めれば、本番では違うでしょう。馬場の荒れた部分を避けていたので、パンパンの良馬場がベストのようです。
モントライゼは朝日杯FSでオーバーペースになったことを踏まえたのか、好スタートを切っても中団まで下げてガッチリと抑えました。外枠で壁も作りづらい状況下でこれをやってのけるあたりはさすがルメール騎手。先行、内有利の馬場を思えばよく追い上げていますし、次につながる内容でもありました。ただ、馬体が成長したことで見た目はスプリンター寄りになった印象です。
サルビア、インフィナイトは2列目から流れ込んだ形。サルビアは内枠を生かしてレース巧者ぶりを発揮。広いコースのマイルよりは今回のような条件が合います。インフィナイトは初の1400mでも難なく流れに乗れました。馬場が良ければ1400m以下に適性がありそうです。
text by 石井大輔
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