3月26日(土曜)に中山競馬場で行われた第70回GⅡ日経賞(芝2500m・4歳以上・別定・曇り・稍重)はタイトルホルダー(単勝1番人気)が力強く押し切って優勝。騎乗した横山和生騎手、管理する美浦・栗田徹調教師とも日経賞は初勝利。この結果、タイトルホルダーは天皇賞(春)の優先出走権を獲得した。タイトルホルダーは北海道新ひだか町岡田スタッドの生産馬。馬主は山田弘さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

▲レース動画はコチラをクリック

 

【展開・ペース】 大方の予想通りタイトルホルダーが難なくハナに立ち、道中に13秒台のラップが2度あるスローペース。残り5ハロンあたりからピッチが上がり、展開的には明らかに先行有利。特に馬群の外を回った差しタイプには厳しいレースとなりました

 

 

【レース分析】 勝ったタイトルホルダー(単勝1番人気)は中間、トモに不安が出ており、同じ休み明けでも昨年の秋緒戦などと違い、順調とはいえない調整過程。確かに展開面は有利に運べましたが、復帰戦で自身よりも斤量の軽い②③着馬を振り切るあたりが、さすがGⅠホースといったところでしょう。

 

▲パドックを歩くタイトルホルダー(撮影:yu~kun)

 

「ホッとしています。ハナに行くことは考えていましたし、この馬の力を信じて、人間も思い切って乗りました。リズムを大事にしていきましたが、正直なところ道中は課題があるな、と感じる走りで直線を向きました。厳しい戦いになるだろうと思いましたが、最後はタイトルホルダーの底力に助けられました。大一番が待っていますし、自分もこれに満足することなく、馬との絆を深めて、次につなげていきたいです」とレース後に横山和生騎手はコメント。見ているこちらは道中で“少しペースを落とし過ぎかも”と感じていましたが、ラスト3ハロンをすべて11秒台でまとめ、並びかけようとした馬たちを抑えたことが地力の高さを物語っています。状態面に関しても叩いての上積みは大きそうですから、天皇賞(春)で2度目のGⅠ制覇も十分に期待できるでしょう。

 

タイトルホルダーの4代血統表

 

 ②着ボッケリーニ(4番人気)は促して好位のインに収まり、終始、前を見る位置取り。最後まで内にこだわった浜中騎手の好判断が連対を果たした最大の要因ですが、2500mの距離をこなせた点は今後に向けて大きく、どちらかといえば晩成型だった全兄のラブリーデイと同様、馬自身も着実に成長しているようです。③着が個人的に当日版の紙面で◎にしていたヒートオンビート(2番人気)。正直なところ、勝ち馬を交わすのは無理でも馬連は何とか、ゴール前でと思いましたが、②着馬とは内、外のコース取りの差がありましたし、最後の詰めが課題でも安定度の高さはピカイチですから、メンバーや立ち回りひとつで重賞初制覇のチャンスが巡ってくるでしょう。

 

 

 ④着クレッシェンドラヴ(8番人気)も内田博騎手の積極的なレース運びが健闘の要因ですが、8歳でも力の衰えがないことは確認できました。GⅢやオープン特別だと斤量面がポイントにはなりますが、得意な福島あたりに舞台が替われば、もうひと花咲かせることも可能でしょう。3番人気で⑧着に終わったアサマノイタズラは明らかに展開不向き。大外枠で流れに乗れなかったウインキートス(5番人気)も力を出し切れていない印象なので、展開や枠順などが噛み合うようなら、巻き返しがあっても驚けません。

 

 

 

 

      text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【不定期連載】

理想の馬券を追い求めて

~券種選び、資金配分泣き笑い録~

 

 

【日経賞 藤原の予想印】

◎⑭ウインキートス

〇⑪タイトルホルダー

▲⑫アサマノイタズラ △⑦①⑥⑮

 

“呪縛を解き放つ勝利”

 日経賞と聞いて、皆さんは過去のどのレースを思い出すでしょうか?私は迷いなく、レオリュウホウと菊沢隆徳騎手(現調教師)のコンビが逃げ切った2000年をあげます。当時、単勝1.3倍という圧倒的な支持を集めた前年の有馬記念覇者グラスワンダーは伸びを欠いて⑥着。グラスワンダーの勝利を信じて疑わなかった私はその結果が受け止め切れず、頭をガーンと殴られたような衝撃を受け、ただただ、テレビの前で呆然としていたのを今でも思い出します。そしてこのグラスワンダー以降、日経賞ではこんなデータ、ジンクスがあるんです。表にまとめました。

 

 

 ツイッターでも呟きましたが、2000年グラスワンダー以降、単勝1倍台の支持を集めた関東馬はなんと⑥⑧②⑤着と1頭も勝利していないのです。2013年にフェノーメノが単勝2.0倍で勝っていますから“呪い”というと大袈裟ですが・・・。JRAにおける単勝1倍台の勝率は約40~50%程度。それを考えると理解に苦しむデータ。今年は前年の菊花賞馬タイトルホルダーが参戦。単勝オッズは午前中から1.6倍のまま。それもそのはず、唯一のGⅠホースであり、明け4歳と伸びしろも十分。それは分かっているのです・・・分かっているのですが・・・。

 

~藤原の買い目~

券 種 買 い 目
馬単(フォーメーション)

⑪⑭→①⑥⑦⑪⑫⑭⑮

(12点)各200円

馬単(1着固定)

⑭→①⑥⑦⑪⑫⑮

(6点)各100円

合計金額 3,000円

 

 昨年の日経賞は牝馬によるワンツーでしたが、当時は不利に泣いた⑭ウインキートスが本命。今年は紅一点、牝馬では唯一の出走ですが、中山巧者でもあり、チャンス十分。そして▲はこちらも中山コースの適性は高く、馬場が悪くなるのも好材料となる⑫アサマノイタズラ。あくまで目標は先のタイトルホルダーが星を落とすシーンもあると見て、⑭⑪の2頭を1着に固定した馬単を購入。この日の中山は9Rが7番人気と10番人気のワンツー。そして10Rの伏竜Sでは単勝1.3倍に支持されたホウオウルーレットがハナを切ったものの粘り込めずに5着敗退と波乱が続きました。この流れなら日経賞も・・・。という邪な気持ちを抱くおっさんを嘲笑うかのようにタイトルホルダーがきっちりと逃げ切って優勝。期待したウインキートスは体が減り、序盤から流れに乗れず。アサマノイタズラは少し難しいところを見せていつもの追い上げる脚が見られず、予想、馬券ともに完敗でした。大体、こんなジンクスに気付いた時ほど覆るものなんですよね。

 

 

 ただ、前回、日経賞で単勝1倍台の人気に応えて勝利したのは1999年のセイウンスカイ。ご存知の通り、菊花賞馬であり、鞍上は横山典弘騎手でした。それから23年後、この関東馬の呪縛を打ち破ったのは菊花賞馬、そして横山典弘騎手の息子・和生騎手が騎乗したタイトルホルダー。セイウンスカイの勝ちタイムが2.35.3に対し、タイトルホルダーのそれは2.35.4とほぼ一緒。1999年も今年も馬場発表は稍重。偶然なんでしょうが、なんというか調べているうちにあまりに符合することが多くてびっくり。セイウンスカイはその後の天皇賞(春)はスペシャルウィークの3着に敗れましたが、そこは決して似ることなく、これを上回る結果を期待したいものです。

 

 

購入金額 3,000円
払い戻し金額 0円
収支金額 -3,000円

 

 

text by 藤原 有貴

 

 

 

 

研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
研究ニュースネット新聞ご購入はコチラをクリック!
 
 

 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かチラをクリック!
 
記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止