11月22日(土曜)に福島競馬場で行われた第61回GⅢ福島記念(芝2000m・3歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)はニシノティアモ(2番人気)が優勝。管理する美浦・上原佑紀調教師は福島記念は初勝利。騎乗した津村明秀騎手は2勝目となった。ニシノティアモは北海道新ひだか町タツヤファームの生産馬。馬主は西山茂行さん。

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 大方の予想通りバビットが気合をつけて先制。外からリカンカブールも前につけましたが、1コーナーでニシノティアモが自然体で押し上げてくると、リカンカブールが3番手に下げてペースダウン。5ハロン目に12秒9までラップが落ちましたが、それ以降は加速していくラップに変わり、差し・追い込みタイプには厳しい展開になりました。

 

 

【レース分析】 勝ったニシノティアモ(2番人気)は放牧明けを勝って中4週、遠征競馬でも体重が4キロ増と目下の充実ぶりを示す仕上がり。距離が2000mに延びて、いつになく積極的な立ち回りでも、折り合いなどは非常にスムーズでした。勝負どころでも余裕綽々といった手応えで、直線を向くと早めに前を捉え、その後もレースラップが示す通り、まったく脚勢は衰えることなく、難なく後続を振り切りました

 

 

「競馬の前までいい雰囲気でいけましたし、序盤はなかなかペースが上がらなかったので、2番手につけました。レース展開も楽で、しっかり折り合いもついて手応えは十分でした。大きいところを狙える馬です」津村騎手はレース後にコメント。これで1勝クラスから4連勝ですから馬の充実ぶりは相当なものですし、緩いペースを味方にした鞍上のレース運びも見事でしたね。後続との0秒2差はハンデ戦で、斤量差の分もあるでしょうが、それにしても、昇級緒戦で牡馬相手のGⅢを制したのですから立派です。距離もマイルから2000mなら問題ないでしょうし、更なる上積みも見込めると思わせる勝ちっぷりでした。

 

▲ニシノティアモの4代血統表

 

②着エコロヴァルツ(1番人気)も序盤は好位につけたので若干、力みが見えましたが、そこからは折り合いに専念し、少し位置を下げる形。勝負どころから外を追い上げ始めて、4コーナー手前で鞍上が本格的にゴーサインを出した時の反応も鋭かったですが、勝ち馬との差は詰め切れませんでした。それでも、トップハンデや流れを考えれば上々の内容。やはりGⅢでは地力上位の存在ですね。③着パレハ(7番人気)は出脚が今ひとつで中団の後ろに待機。直線では②着馬を追うように外から伸びて、上がり最速をマークしました。結果的には展開が向きませんでしたが、じっくり構えて鋭い脚を使えたのは収穫。小回り向きのイメージがありましたが、今回のレースぶりなら広いコースでも能力発揮に支障はないでしょう。次走以降の選択肢が広がった印象を受けました。

 

 

④着アラタ(9番人気)は序盤から勝ち馬をマークするような形で流れに乗り、レース運びとしては理想的。直線で伸び切れず、流れ込む結果になったのは斤量差もあるでしょうし、今回は外枠だったことも少し可哀相に感じる展開でした。そして、ちょっと勿体ないレースをしたと感じたのが⑤着のシリウスコルト(5番人気)で、スタート後に控えて折り合いを優先したことで前めの位置を取れず、道中は中団の内に。トップハンデだと仕掛けての反応が少し鈍いのは仕方のないことで、それでも、最後は脚を伸ばしていました。地力は示しましたから、先行力を生かしていたら……と言うのが、正直な感想です。そして本紙で◎にしていたクリスマスパレード(3番人気)は⑥着。うまく好位の内に収まりましたが、ためる形だとピリッとした脚が使えないのは想像していた通りで、直線もギアが上がりませんでした。スピードの持続力を生かすには、自分でレースを作るか、早めスパートがいいイメージのある馬ですから、今回は結果的に最内枠がアダになった気がしています。

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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