リスタート 最高の形で本番へ

 2017年10月8日(日)4回東京2日目11R第68回毎日王冠(GⅡ)は、単勝3番人気に支持されたリアルスティール(父ディープインパクト×母ラヴズオンリーミー)が優勝。管理するのは矢作芳人調教師。昨年の天皇賞(秋)以来の騎乗となったM.デムーロ騎手を背に素晴らしい伸びを見せました。その昨年の天皇賞(秋)は毎日王冠を回避し、ぶっつけで挑んでモーリスの②着。上積みが見込める今年は期待が膨らみますね。

 余談ですが、毎年GⅠレベルのメンバーが集う毎日王冠。近年のレース当日の入場者数を調べてみました。

14年 優勝 エアソミュール  48,973人

15年 優勝 エイシンヒカリ  47,013人

16年 優勝 ルージュバック  44,136人

17年 優勝 リアルスティール 57,756人

 今年は何と昨年より1万3千人以上も多く、注目度の高い一戦だったということが分かります。ただ、改めてサイレンススズカ、エルコンドルパサー、グラスワンダーの対決に沸いた98年の毎日王冠の13万人というのはとてつもない数字だと実感。勿論、ネット投票システムが普及した現在とは状況が違っていることも事実ではありますが・・・。

ここから京増TMによるレース回顧です。

勝ち時計 1分45秒6

前・後半4F 47秒8 45秒6

12.8 – 11.0 – 11.8 – 12.2 – 12.2 – 12.1 – 11.1 – 10.7- 11.7

 本命を打ったソウルスターリングは、オークス以来の実戦でいくらかテンションは高かったんですが、仕上がり自体は悪くなかったように思います。レースは自身が主導権を握り、前半1000m通過が60秒0のスローペース。理想的な展開であり、本来なら突き放していいはず。レースの上がり3Fが33秒5と好メンバーが揃って“GⅠレベル”の瞬発力勝負となったのがこの馬には合わなかったんだったんでしょうか。

 この秋は、天皇賞まで本命を打つはずだったんですが、判断に迷う結果に。ただ、能力の高さは春までの走りで証明済み。ルメール騎手はレース後、「この速い馬場で1800mでは距離が短かった。これがいい経験になると思います」とコメント。本番前にウィークポイントがハッキリした点は良かったと前向きに捉えることもできます。

 ①着のリアルスティールは、3~4コーナーでコースロスを最小限にとどめ、直線で瞬発力をフルに引き出した鞍上の好騎乗もありましたが、秋に向けてキッチリと立て直してきたように厩舎力も光りました。「去年とは状態が全然違った。落ち着いていてずっと手応えは楽。このメンバーで勝てて良かった」とM.デムーロ騎手。現役屈指の実力馬が復活の狼煙をあげました。この後の活躍が楽しみです。

 サトノアラジンは、直線勝負に賭けてメンバー中、最速タイの上がりをマークしてクビ差の惜敗。勝ったリアルスティールとは、1キロの斤量差がありましたから負けて強しと言える内容でした。

 ③着グレーターロンドンは、休み明けで良化の余地を残しながらも、サトノアラジンと並ぶ上がり3F32秒6の上がりをマークして0秒2差。敗れはしましたが、改めてポテンシャルの高さは示した形。次につながるレースができましたし、この後、無事に調整が進み、状態を上げていってほしいと願うばかりです。

text by 京増真臣/構成・藤原

 ※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
 
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