王座奪取へ視界良好

 2017年11月4日(土)5回東京1日目11R第53回京王杯2歳S(GⅡ)は、単勝1番人気に支持されたタワーオブロンドン(父レイヴンズパス×母スノーパイン)が優勝。管理するのは藤沢和雄調教師。昨年はソウルスターリング、サトノアレスで暮れの2歳GⅠ完全制覇を成し遂げましたが、今年もチャンピオン候補が誕生。デビューから手綱を取り続けているC.ルメール騎手の評価も高く、今後が楽しみですね。

 さて、当日版に掲載したコラム「データから推す」で注目馬として挙げていたのが②着のカシアス。コラムの内容を少し紹介すると、

《血統》

 キンシャサノキセキ産駒は過去6頭出走して[1・2・0・3]と大活躍。特に当日6番人気以内に支持されていれば、②②①着と連対率は100%

 今年、キンシャサノキセキ産駒はカシアスマイティーワークスと2頭が出走し、単勝5番人気だったカシアスがキッチリと②着(マイティーワークスは9番人気)。依然、条件に該当すれば連対率は100%ですから、来年まで覚えておきたいデータですね。

 それではレースを振り返ってみましょう。

【パドック】

 タワーオブロンドンはキビキビと元気良く、周回。気配は良さそうに映りました。カシアスは7月の函館2歳S以来でマイナス14キロ。ただ、細くは見えず、仕上がりは良好。逆に2番人気のタイセイプライドはプラス14キロ。馬体に太目感こそないものの、かなり発汗し、うるさい仕草を見せていました。イレ込んで消耗した点は否めません。

勝ち時計 1分21秒9(曇・良)

前・後半4F 36秒0 33秒8

12.6 – 11.4 – 12.0 – 12.1 – 11.2 – 11.1 – 11.5

【展開・ペース】

 スタート後、ニシノウララが先頭に立とうとしますが、これを制してタイセイプライドがハナを奪取。外からアサクサゲンキがジワッとポジションを上げて2番手へ。前半3F通過は過去10年で3番目に遅い36秒0。ゆったりとした流れになりました。

【レース分析】

 タワーオブロンドンは序盤は中団の内で折り合いに専念。直線に入って馬群がバラけるとルメール騎手は馬場の真ん中へ持ち出します。残り1F過ぎに内で粘るアサクサゲンキを交わすと、そこからリードを広げて完勝。レースのラスト3Fが33秒8と着差の開きづらい流れの中で後続に2馬身差をつけたのですから性能が一枚上だったと見ていいでしょう。それに33秒台の速い上がりを使えることも証明。現段階で欠点らしい欠点は見当たりません。

レース後、ルメール騎手は「体が大きくてパワーがあります。スプリンターっぽいですが、能力があるのでマイルでも距離は大丈夫でしょう」とコメント。朝日杯フューチュリティSに出走してくれば、当然、優勝候補となるのは間違いありません。

《タワーオブロンドンの4代血統表》 重度の骨折に見舞われたが、藤沢師が血を残すため手術を願い出て奇跡的に一命を取りとめたシンコウエルメスは祖母にあたる

 ②着はカシアス。初めての左回りだった影響かコーナーでは外に張り気味に。また直線では内にヨレるなど若さを見せましたが、タイセイプライドアサクサゲンキの間を突き、内ラチ沿いに進路を取ってからは、しっかり伸びて②着に浮上。しっかり折り合って1400mに対応できた点も収穫でした。

 ③着アサクサゲンキは2番手を進み、直線半ばでは一旦先頭。勝ち馬に交わされてからも極端に伸びは鈍ることはありませんでした。「ベストは1200mかもしれませんが、いいレースをしてくれた。この距離でも十分にやれると思います」と武豊騎手。

 2番人気タイセイプライドは⑧着。1400mで2連勝しており、距離は問題なし。今回は休み明けでテンションが高く、そのあたりが影響したのか粘りを欠いてしまった印象です。

 text by 藤原

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