上昇気流に乗って夏の王者に

 2017年9月3日(日)2回新潟12日目11R第53回新潟記念(GⅢ)は、単勝6番人気のタツゴウゲキ(父マーベラスサンデー×母ニシノプルメリア)が優勝。管理するのは鮫島一歩調教師。秋山真一郎騎手とのコンビで小倉記念に続く重賞連勝となりました。この勝利で今年のサマー2000シリーズのチャンピオンに輝きました。父マーベラスサンデーを髣髴とさせる成長曲線を描いており、秋以降の活躍にも期待したいところですね。

レースを振り返ってみましょう。

勝ち時計 1分57秒9

前・後半5F 59秒058秒9

12.9 – 10.9 – 11.4 – 11.7 – 12.1 – 12.3 – 12.0 – 11.4 – 11.2 – 12.0

 メキメキと力をつけ、夏場の連戦に耐えた精神力。タツゴウゲキの充実ぶりがあればこそ成し得たサマー2000シリーズ優勝ですが、新潟記念でも秋山騎手の手腕が光りましたね。

 まずはハナを切るような構えを見せながら、外のウインガナドルを行かせ、2番手でプレッシャーをかけつつ追走。前半1000m通過は59秒0の平均ペース。速過ぎず、かといって遅過ぎず、後ろの馬にうまく脚を使わせる絶妙の展開。直線に向くと馬場のいい外目に持ち出し、堂々と先頭。実績馬とはハンデ差がありましたが、早目に仕掛けて押し切ったあたりはタツゴウゲキ自身が力をつけている証拠。またペースを掌握し、レースを作ったベテラン秋山騎手の作戦勝ちでもありました。

 2着アストラエンブレムは前を抜かず、ブレーキをかけてしまう癖がネックですが、距離をこなして賞金を加算できた点では収穫があったように思います。3着はカフジプリンス。勝負どころのズブさが課題ですが、最後は盛り返すように伸びてきました。平均ペースで流れて極端な瞬発力勝負にならなかったことが好走の要因でしょう。

 マイネルフロストは前走の内容が良かったので本命にしましたが、新潟外回りコースで時計勝負になると分が悪いのでしょうか。ただ、鳴尾記念、七夕賞のような積極的に立ち回る形を取れていれば違う結果が出ていたように思います。

 
text by 京増真臣/構成・藤原

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。