2017年10月9日(月)4回京都3日は、3日間競馬の最終日。メインの11Rには第52回 京都大賞典(G2)が行われました。優勝したのは7歳牝馬スマートレイアー(大久保龍志厩舎)。鞍上の武豊ジョッキーは、このレース9勝目。最初が1987年のトウカイローマンですか。競馬界のトップを走り続けるレジェンドにまた1つ偉業が加わりました。それではレースラップです。

2:23.0(12.9 – 11.0 – 11.7 – 12.2 – 12.1 – 12.1 – 12.4 – 12.5 – 11.7 – 11.5 – 11.4 – 11.5)

 時計は2013年(ヒットザターゲット)の2分22秒9に次いで過去10年で2番目に速い決着。よくあるケースとしては、ホームストレートでペースが上がり最初のコーナーで落ち着きます。そのままバックストレートを通り、3コーナーの坂の下りからラスト4ハロンのロングスパート戦といった様相。図を見ていただけるとお分かりになりますが、今年は例年ほど向正面のペースが緩まず、スパートが少し速くなっています。それでいて最後1ハロンのラップはあまり落ちておらず、全体的なレベルは高かったと言えるでしょう。

 スマートレイアーは先行すると思われていましたが、スタートでゴチャついて後方から。序盤は位置を上げて行くために外への進路も考えたようですが、結局は脚を溜める競馬に切り替えた感じ。坂の下りで他馬が動いた時もインでジッとしていました。京都外回りで4コーナーのインを突く走りは、これまで数々のタイトルを獲得してきた武豊騎手の真骨頂。十分に脚を残せていただけに直線の伸びは素晴らしいものでした。一方、一旦は完全に抜け出して、岩田騎手もやったと思ったであろうトーセンバジル。道中は好位のイン。仕掛けのタイミングもバッチリでしたが、勝ち馬の決め手が一枚上でした。それでも、前でレースができたことは収穫でしたね。

 シュヴァルグランは強かったです。スタート後に挟まれて後方からになりましたが、12秒5とラップが緩む坂の登りでワンテンポ早めに仕掛けて、前との差を詰めたM.デムーロ騎手はさすが。そのまま3角の下りから馬群の外を進出していきましたが、手応えは十分で、決して無理はしていませんでした。内を回った上位2頭とは対照的な競馬。僅かに及びませんでしたが、内容的には負けて強し。

 ミッキーロケットは中団馬群の中でレースを進めて、直線で差を詰めてきましたが、上位とは決め手の差。レコンダイトは中団の後ろ。勝負どころで外からシュヴァルグランが動いていった時もじっくり構えて4角を回り、直線では外へ外へ進路を取りながら伸びてきました。うまく脚を残せたことで掲示板を確保。

 5番人気のフェイムゲームは10着。道中は勝ち馬の外。ただ、シュヴァルグランが動いた時に追いかけてしまったこと、外を回らされたことが影響したのか、目黒記念のような脚を使うことはできませんでした。その上で上位はスピードが落ちていないわけですから厳しかったと思います。「直線は頭を上げてブレーキをかける感じになっていた」とはルメール騎手。ジョッキーとしては気性面が敗因だったとのことですが、シュヴァルグランを別格とすれば、直線までにどれだけ脚を残せるかどうかの競馬だったかなと。

 重賞初勝利を期待されて2番人気に支持されたサウンズオブアースは13着。スタートで外の馬と接触する不利。そこから外へ誘導したのは位置を取りたかったからでしょうか。中団でレースを進めて、勝負どころではシュヴァルグランに蓋をされるような感じで直線へ。ただ、追い出してからも反応は悪く、最後は鞍上も諦めて流していたようなので結果的には大敗という形に。

text by 小林 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。