4回東京2日11R

1分45秒6(12.8 – 11.0 – 11.8 – 12.2 – 12.2 – 12.1 – 11.1 – 10.7- 11.7)

 本命を打ったソウルスターリングは、オークス以来の実戦でいくらかテンションは高かったんですが、仕上がり自体は悪くなかったように思います。レースは自身が主導権を握り、前半1000m通過が60秒0のスローペース。理想的な展開であり、本来なら突き放していいはず。レースの上がり3Fが33秒5と好メンバーが揃って“GⅠレベル”の瞬発力勝負となったのがこの馬には合わなかったんだったんでしょうか。

 この秋は、天皇賞まで本命を打つはずだったんですが、判断に迷う結果に。ただ、能力の高さは春までの走りで証明済み。ルメール騎手はレース後、「この速い馬場で1800mでは距離が短かった。これがいい経験になると思います」とコメント。本番前にウィークポイントがハッキリした点は良かったと前向きに捉えることもできます。

 ①着のリアルスティールは、3~4コーナーでコースロスを最小限にとどめ、直線で瞬発力をフルに引き出した鞍上の好騎乗もありましたが、秋に向けてキッチリと立て直してきたように厩舎力も光りました。「去年とは状態が全然違った。落ち着いていてずっと手応えは楽。このメンバーで勝てて良かった」とM.デムーロ騎手。現役屈指の実力馬が復活の狼煙をあげました。この後の活躍が楽しみです。

 サトノアラジンは、直線勝負に賭けてメンバー中、最速タイの上がりをマークしてクビ差の惜敗。勝ったリアルスティールとは、1キロの斤量差がありましたから負けて強しと言える内容でした。

 ③着グレーターロンドンは、休み明けで良化の余地を残しながらも、サトノアラジンと並ぶ上がり3F32秒6の上がりをマークして0秒2差。敗れはしましたが、改めてポテンシャルの高さは示した形。次につながるレースができましたし、この後、無事に調整が進み、状態を上げていってほしいと願うばかりです。

 

2回札幌2日11R

2分00秒4(12.7 – 11.0 – 11.7 – 13.0 – 12.3 – 12.1 – 11.9 – 11.9 – 11.8 – 12.0)

 今年は前半5F通過が60秒7。同じく良馬場で施行された14年が58秒4、15年が58秒9ですからペースはスロー。逃げたロードヴァンドールが残り1F標識を過ぎて甘くなったのは意外でしたが、終始内ラチ沿いの経済コースを進み、直線で外へ持ち出したナリタハリケーンが2着だったように、上手に立ち回ってコーナー毎の距離ロスが小さかった面々が上位を占めました。

 勝ったサクラアンプルールは過去のレースを見ても、序盤から力まずに走れると終いは必ずいい脚を使うタイプ。2月の中山記念では内を突いて伸びたように器用さも備えています。大阪杯は遠征の影響か前半から掛かって前へ行って良さが出ず、前走の函館記念は道悪と大外枠が祟りました。最内枠を引き当てた今回は中団のインで折り合って追走。3コーナー付近から前を行くヤマカツエースを追うように進出を開始。直線半ばでヤマカツエースを交わし、迫る後続の追撃も完封しました。早目に動いて1番人気を競り負かしての勝利は立派です。ヤマカツエースはペースを考慮し、早目にスパートしましたが、いつものシャープな伸びが見られずに3着。このあたりは久々の影響があったということでしょうか。

 

 

4回中山7日11R

2分13秒8(12.8 – 11.7 – 13.2 – 12.9 – 12.5 – 12.5 – 12.1 – 11.3- 11.2- 11.6- 12.0)

 大方の予想通り、ハナを切ったのはマイネルミラノ。ゆったりとした流れを作り出し、前半1000m通過は63秒1。ショウナンパンドラが差し切った15年が同60秒8、ゴールドアクターが勝った16年が同59秒9ですから、これはかなり遅いペース。マイネルミラノは残り4F地点で11秒3と速いラップを刻んで後続を振り切り、大きなリードを取って直線へ。早目に仕掛けた分だけ残り1Fで脚いろは鈍りましたが、4着と健闘。大いにレースを盛り上げました。

 2着ステファノスは前を射程圏に入れながら運び、勝ちパターンかと思えましたが、外を回った分だけルージュバックとはコース取りの差が出てしまいましたね。2戦2敗だった2200mで連対を確保したのは立派ですが、14年の富士S以来、長らく勝ち星から遠ざかっているように、今回も勝利まであと一歩が足りませんでした。

 

 

4回京都3日11R

2分23秒0(12.9 – 11.0 – 11.7 – 12.2 – 12.1 – 12.1 – 12.4 – 12.5 – 11.7 – 11.5 – 11.4 – 11.5)

 時計は2013年(ヒットザターゲット)の2分22秒9に次いで過去10年で2番目に速い決着。よくあるケースとしては、ホームストレートでペースが上がり最初のコーナーで落ち着きます。そのままバックストレートを通り、3コーナーの坂の下りからラスト4ハロンのロングスパート戦といった様相。今年は例年ほど向正面のペースが緩まず、スパートが少し速くなっています。それでいて最後1ハロンのラップは落ちておらず、全体的なレベルは高かったと言えるでしょう。ミッキーロケットは中団馬群の中でレースを進めて、直線で差を詰めてきましたが、上位とは決め手の差。らしいと言えばらしいレースでした。

 

3回阪神8日11R

2分11秒4(12.5 – 11.1 – 11.6 – 13.1 – 12.3 – 11.7 – 11.6 – 11.8 – 11.7 – 11.8 – 12.2)

 ポイントは5ハロン目の12秒3。2コーナーで13秒1とガクッとペースが落ちましたが、向正面に入ったところでサトノクラウンが外からポジションを押し上げていきました。結果的に残り1200mの地点から11秒台のラップが続く超ロングスパート戦となり、前を行くシュヴァルグラン、シャケトラキタサンブラックには厳しい展開となりました。さて、1度前にプレッシャーをかけながら、その後は無理をすることなく脚を溜める競馬をさせたM.デムーロ騎手がにくい。そして、その指示に見事に応えたサトノクラウンが素晴らしい。4コーナーの手応えは抜群。そこからの伸びは見ての通り。

 シャケトラはこのペースで先行して一旦は先頭に立ち、ラストも渋太く粘り込んで4着ですから強い競馬だったと思います。キタサンブラックは確かに厳しい展開でしたが、この馬の能力を考えれば対応できたはず。コンディションは天皇賞春がピークだったとはいえ、悪くはありませんでした。ただ、レースでの動きは春2戦と比べると冴えがなかったです。ローテーション、展開、馬場など色々なことが少しずつ積み重なっての敗戦かなと。

 終わってみれば①天皇賞春をパスした馬、前走がG1で大敗した馬(言い換えると無理をしなかった馬)。②中団~後方で脚を溜めた馬。③G1勝ちの実績がある馬。以上が1~3着馬の共通点。個人的にはキタサンブラックの敗戦以外は納得できる結果でした。

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。