2017年10月22日(日) 4回京都7日

【菊花賞 参考レース】

 


2:24.6(12.9 – 11.8 – 12.2 – 12.4 – 12.1 – 12.3 – 12.3 – 12.2 – 11.9 – 11.3 – 11.4 – 11.8)

 例年と比べると、1コーナーまでの入りがかなり緩いですが、そこから道中は12秒前半のラップが並んで締まった流れになりました。勝ち時計はレコードの2009年、2分24秒4の2014年に次ぐ過去10年で3番目に速い決着。この中盤が速い流れというのは、底力とイコールの面があるだけに、ラップ的にはレースレベルが高かったと言えるでしょう。

 キセキは今回のメンバーで唯一の上がり33秒台をマーク。単純な上がり勝負ではありませんから価値があると思います。狭いところから伸びてきたように根性もありそう。ただ、前半は力んでいただけに、距離が延びる菊花賞に出てくるようなら折り合いがポイントとなりそうです。

 折り合いという点ではサトノアーサーも行きたがっていました。今回はレースの最初の入りが遅かった点と内枠で、文句のないポジションを確保できましたが、出していけないので今後も展開に左右されるでしょう。2番手でレースを進めたダンビュライトが4着。最後1ハロンのラップがガクッと落ち込まなかったのは、この馬が頑張ったから。底力を問われるレースで、強い勝ち馬に目標にされながら積極的なレースをして4着なら悪くないでしょう。

 振り返ってみると人気通りの結果でしたね。今回の上位馬に関しては素直にそのパフォーマンスを評価して良いと思います。

 

 

2:12.7(12.3 – 11.1 – 12.4 – 13.1 – 12.9 – 12.8 – 12.1 – 12.0- 11.7- 11.3- 11.0)

 前半1000m通過は61秒8。これは04年以降中山競馬場で施行された中では最も遅いペース。レースのラスト3Fが34秒0という上がり勝負を1馬身3/4突き抜けたのですからミッキースワローは完勝でした。

 ミッキースワローは、レース序盤は中団を追走。流れが遅いと見るや、横山典弘騎手は向正面に入る前に好位を進むアルアインの直後まで進出します。勝負どころではアルアインが早目に外へ持ち出したのとは対照的に、丁寧にコースロスなく3、4角を通過。それも外へ持ち出す進路を意識し、確認しながらのコーナーワーク。直線に入ると先に抜け出したアルアインを捉え、瞬く間に突き放してゴール。ラスト2Fは11秒3→11秒0とミッキースワローは急坂を迎えながらも抜け出してから加速した点にも驚かされました。横山典弘ジョッキーの判断、切れ味を引き出した好騎乗が光った一番でしたね。
 

 アルアインはプラス10キロと馬体が増えていましたが、まったく太目感はなく、上々の造り。勝ち馬とはコース取りの差はありましたが、今回の結果を見ますと極端な瞬発力勝負はあまり向いていないのかもしれません。皐月賞のレースぶりを振り返ってもタフな流れが合うタイプ。勿論、トライアルを叩いての上積みも見込めますから、底力を問われる流れになれば菊花賞での2冠目奪取は十分可能に映ります。3着サトノクロニクルは先行し、終始内ラチ沿いを追走。直線に入ってから前の馬を捌くのに苦労しましたが、進路ができると鋭い伸び。ただ、展開やコース取りを考慮すると完敗であった点は否めません。

 

2:26.9 (13.0 – 11.2 – 12.9 – 12.8 – 13.3 – 12.5 – 12.1 – 12.6 – 12.7 – 11.5 – 10.9 – 11.4)

 金曜まで雨が降り続いた東京。芝コースは前日の土曜日は直線で外を通った馬が活躍しましたが、馬場が乾き切った日曜日は内・外イーブンの状態に。8Rの青嵐賞が2分23秒8という好時計決着になったように高速馬場でもありました。レースはマイスタイルがハナを主張し、主導権を握ると思われていたトラストは2番手に控える形。例年、ゴチャつく1コーナーへの進入ですが、今年は目立った混乱もなく至ってスムーズ。そこから主導権を握ったマイスタイル・横山典弘騎手が巧みにペースを落とし、前半5F通過は63秒3。これは過去10年でも最も遅く、上がりの速いレースとなりました。

 ◎を打ったアルアインは道中は折り合って3、4番手を追走。ペースを考えるとこれは絶好のポジション。しかし、3~4コーナー付近で少し仕掛けが遅れるような感じに。上がり勝負でしたからこの遅れが痛恨。加速がついたスワーヴリチャードに前に入られ、直線半ばからは盛り返すように伸びましたが、5着まで。結果はどうなったかは分かりませんが、松山騎手には勝利を意識し、強気に、早目にレイデオロを捉えに動いて行って欲しかったですね。

 

 

1:57.8(12.1 – 10.8 – 12.2 – 11.7 – 12.2 – 12.4 – 11.9 – 11.4 – 11.4 – 11.7)

 当日は晴天に恵まれた中山競馬場。先週火曜はまとまった雨が降り続きましたが、その後、気温が上昇したこと、晴れが続いたことで馬場は乾いていました。前日に引き続き、風が吹き抜けて直線部分は追い風に。勿論、ペースもありますが、これらもタイレコードが飛び出した一因ではないでしょうか。前後半の5Fを見ても緩みのない平均ペースからの地力勝負でしたが、この馬場コンディション、状況ですと勝負どころで後ろ過ぎては厳しかったように思います。

 本紙予想の◎アルアインは前走の毎日杯からマイナス2キロ。体重こそ大きく変わらなかったものの、デビュー当初にあった緩さがなくなっていましたね。それだけ実が入ってきた証拠でしょう。スタート後、アルアインは他馬の出方を窺いながら好位グループを追走。3コーナー過ぎで手応えが怪しくなり、置かれかけた時はヒヤッとしましたが、4コーナーでエンジンがかかるとクリンチャー、ファンディーナの間を割り、最後はペルシアンナイトとの追い比べを制して皐月賞馬に。中2週のローテーションを心配していましたが、さすが池江泰寿厩舎。杞憂に終わりましたね。

 
 アルアインに関しては致命的な不利があったシンザン記念を除けば、3戦3勝と底を見せていませんでした。何といっても毎日杯の1分46秒5という勝ち時計はレースが07年に1800mで行われるようになって以降、ディープスカイ、キズナに次ぐ3番目に速いタイム。そして、

 
ディープスカイ
前半5F 59秒0 → 上がり3F35秒3 1分46秒0
キズナ
前半5F 58秒6 → 上がり3F35秒8 1分46秒2
アルアイン
前半5F 60秒1 → 上がり3F34秒4 1分46秒5
 
 今年は1000m通過が60秒台でしたが、アルアインは2番手から早目に動いて、類い稀な瞬発力を駆使して勝ち時計を1分46秒5まで引き上げたことが分かります。時計比較でもディープスカイ、キズナに匹敵するだけの能力を秘めていると考えました。またクリアザトラックに来られて早目先頭と厳しい競馬になってもサトノアーサーの追撃を退けた勝ち方も非常に良かったですね。この点を重視して◎に推しました。
 

 3着ダンビュライトは、1番人気のファンディーナをマーク。厳しいプレッシャーをかけながら運び、直線でこれを競り落とした点は評価できます。ただ、結果的に上位2頭とは、4コーナーでのコース取りの差があったように思います。

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。