2017年6月3日(土)3回阪神1日に行われた第70回 鳴尾記念(G3)。優勝はステイインシアトル(栗東・池江泰寿)。2014年の京都新聞杯(15着)以来となる2度目の重賞挑戦で初制覇を果たしました。戦前から逃げるのは恐らくステイインシアトルだろうと予想されていましたが、その通り1コーナーまでに無理なくハナを取り切れました。それではレースラップです。

1:59.4(12.6 – 11.6 – 12.7 – 12.5 – 12.2 – 12.0 – 11.7 – 11.5 – 11.0 – 11.6)

 前半が36秒9─49秒4、後半が45秒8─34秒1。ざっくり言うとスローの上がり勝負。後ろの馬には厳しい展開でした。1600m通過の1分36秒8は、5Rの新馬戦のタイムと同じ。重賞レベルで考えるとやはり遅いですよね。更に2番手のミュゼエイリアンが折り合いを重視したことで、後続は蓋をされた形になりました。余力を持って直線に向くとラスト2ハロン11秒0─11秒6。最後は坂もあってラップが落ちましたが、完全に脚が止まったわけではありません。乗っていた武豊騎手としては理想的なレースができたはず。この馬はデビュー2戦目の京都新聞杯直後に約1年8カ月という長い休養を余儀なくされました。そこからの復活ですから陣営の喜びもひとしおでしょうし、まだまだ馬が若々しいですね。

 スマートレイアーは道中は中団の外。ラスト3ハロンから追い出しを開始しますが、その地点から先頭が11秒5─11秒0ですから捕まえるのは容易ではありません。残り1ハロンからジワジワ追い詰めますが、クビ差まで迫ったところがゴール。上がりはメンバー最速の33秒6。地力は示したといえるでしょう。マイネルフロストは勝ち馬の直後で行きたがっていました。それでも、4コーナーで外のバンドワゴン、スマートレイアーが仕掛けた時にも内で手は動かず、直線半ばで満を持して追い出す形。爆発力には欠けましたが、最後まで集中力を切らさずに頑張りました。

 スズカデヴィアスは勝ち馬に次ぐ上がり33秒7。特に見せ場はありませんでしたが、後方から大外を回っての競馬ですからね。流れを考えると仕方ないとも。2番人気のバンドワゴンは7着。序盤は少し折り合いに苦労していました。残り3ハロンから動き出しますが、直線は馬群に沈む形。仕上がりは良さそうに見えましたが、準オープンの前走とは相手が違いましたね。重賞となるともう一段ギアを上げる必要があるでしょう。

text by 小林 

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