もう脇役とは呼ばせない

 

 2018年1月21日(日)1回中山7日目11R第59回アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)は単勝2番人気に支持されたダンビュライト(父ルーラーシップ×母タンザナイト)が優勝。牡馬クラシック3冠に皆勤出走し、皐月賞では③着と好走。昨年暮れに待望の2勝目を挙げると、その勢いに乗って重賞も優勝。ちなみに父ルーラーシップも現役時代にAJCCを制しており、父子制覇となりました。管理するのは音無秀孝調教師。M.デムーロ騎手は先週の日経新春杯を勝っており、2週続けての重賞優勝。初コンビで結果を出すあたりの勝負強さはまさに「優勝請負人」ですね。

 

 

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

【パドック】

 ミッキースワローは精神面が成長し、落ち着きがありました。古馬としての風格も出て、上々の仕上がり。ダンビュライトは菊花賞後に1度使っていることで申し分のない馬体の張り。いい状態に映りました。ゴールドアクターはテンションが高いのはいつものこと。当日のうるささも許容範囲内だったように思います。

勝ち時計 2分13秒3(晴れ・良)

前半5F → 後半5F 61秒3 → 60秒0

12.8 – 11.2 – 12.3 – 12.5 – 12.5 – 12.0 – 12.2 – 11.8 – 11.8 – 12.1 – 12.1

 

【展開・ペース】

 スタート後、ダンビュライトがハナを切る姿勢を見せましたが、マイネルミラノが押して押して1コーナーに入るところで先頭へ。前半1000m通過は61秒3のスローペース。前を行くマイネルミラノダンビュライトの後ろは大きく離れて追走する形になりました。

【レース分析】

 勝ったダンビュライトはペースを考慮すると結果的にベストポジションに収まって運べた印象。直線では後続の追い上げを待つ余裕がありましたし、あとはマイネルミラノを交わすだけという感じ。地力を強化しているのは確かですが、今日のところは展開が勝因だったのは間違いありません。

「初めてのコンビでしたが、調教に乗った時にいい状態だと感じていました。以前のレースを映像で見ていたし、早目に仕掛けたいなと考えていました。スタートが良く、2番手で運べたし、直線でもいい脚を使ってくれました。能力は高いですね」とレース後のM.デムーロ騎手。ジックリ運んでは切れ味で見劣る分、積極的にレースを進めた鞍上の判断も好結果に繋がりました。

 

ダンビュライトの4代血統表

 

 ミッキースワローは後方に控え、道中は折り合いに専念。残り4ハロン手前あたりから、追い上げ体勢に入りましたが、縦長の馬群でスローペース。前で運んだ2頭とはかなりの距離がありましたね。早目に脚を使った分、最後はダンビュライトと脚いろが一緒に。それでも、マイネルミラノを交わして連対を確保した点に地力の高さは窺えました。

 マイネルミラノは展開の恩恵があったとはいえ、ラスト4ハロンから11秒台にラップを上げて後続を振り切りにかかっており、見せ場十分の③着。今年、8歳を迎えましたが、それほど衰えは感じられません。今後、重賞でも展開ひとつで一発がありそう。

 ディサイファは中団を追走し、3角付近からミッキースワロー一緒にスパートを開始。直線に向いてからはジワジワとではありましたが、確かな伸びを見せて③着馬に迫りました。2年前のアメリカJCCの勝ち馬。不利を被った一昨年のマイルCS以降、苦戦が続いていましたが、実績を残す舞台で復調を示しました。

 ゴールドアクターは⑪着。追い切りの動きがピリッとしませんでしたし、武豊騎手はレース後に「前肢と後肢のバランスが良くなかった」とコメント。力を出し切れる状態ではなかったように思います。

text by 京増真臣/構成 藤原

 

  

 ※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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