進化遂げ、王者との再戦へ
2018年3月18日(日)2回中山8日目11R第67回スプリングS(GⅡ)は単勝1番人気の支持に応えてステルヴィオ(父ロードカナロア×母ラルケット)が優勝。C.ルメール騎手とのコンビに戻って重賞初制覇を成し遂げました。生産は安平のノーザンファーム。馬主はサンデーレーシング。管理する木村哲也調教師は2011年開業。15年からは3年続けて30勝以上をマークし、JRA重賞もこれが通算6勝目。古馬ではゼーヴィント、3歳はステルヴィオ、牝馬のプリモシーンと管理馬は素質に溢れ、楽しみな馬たちばかり。これからも目が離せませんね。①~③着馬は皐月賞の優先出走権を獲得しました。
それではレースを振り返っていきましょう。
勝ち時計 1.48.1(晴・良)
前半3F → 中盤3F → 後半3F 35.6 → 36.1 → 36.4 (Mペース)
12.4 – 11.3 – 11.9 – 12.2 – 11.8 – 12.1 – 12.4 – 12.2 – 11.8
【展開・ペース】
エポカドーロのスタートが良く、外からライトカラカゼも仕掛けて前へ。これらを制して主導権を握ったのはコスモイグナーツ。向正面に入ってからもラップを落とさず、リードを広げて大逃げの形に。レース自体は緩みのない流れだったが、大きく離れた2番手以降はスローに近いペースだった。
【レース分析】
ステルヴィオにとっては年明け緒戦。休み明けでプラス6キロでも、馬体はキッチリと仕上がっており、パドックでの雰囲気も上々。昨年のサウジアラビアロイヤルC、朝日杯FSはジックリ運んで、後方から脚を伸ばして②着。しかし、今回は中山内回りが舞台なのを考慮し、4コーナーで好位集団の直後まで進出。いつもより早目に動きながらも直線は追われる毎に滑らかに加速。ゴール前で粘るエポカドーロをキッチリ捉えた。
「この馬の長所は瞬発力があって最後にすごくいい脚を使えるところ。去年はまだ馬が緩く、マイルのレースでは後ろからのレースになったけど、緩さがなくなってきたことで、いいポジションを取りにいけました。2000mも大丈夫だと思います」とC.ルメール騎手は本番に向けて手応えを感じ取っていた様子。デビューから先着を許したのはダノンプレミアム1頭だけ。ダノンプレミアムの強さは認めるところだが、成長を示し、皐月賞でも大きく崩れるシーンは考えづらい。
②着はエポカドーロ。2番手を追走し、直線に向く際は馬場の悪い内を避ける進路取り。残り1F過ぎで逃げるコスモイグナーツを捉えて抜け出して先頭。ゴールの瞬間、僅かに差されたものの、勝ちに等しい内容。前走が小倉、今回は中山と輸送続きである点、そして初体験となる直線の急坂に対応できるのかを戦前に不安視したが、いずれもクリアしたのは立派。皐月賞は多頭数となるため揉まれ込んだ際に平常心を保って走れるかがポイントになりそう。
好位からジワジワ伸びて接戦となった③着争いを制したのがマイネルファンロン。昨年9月のデビューから常に③着以内を確保し続けているように堅実。混戦向きのタイプだが、今回は②着から3馬身半離されており完敗だった点は否めない。
前走に続き、JRAへ遠征してきたホッカイドウ競馬所属のハッピーグリン。パドックでは柔軟な歩様で活気も十分。ゲートを出ると中団で折り合ってほぼ完璧に近いレース運び。しかし、直線は残り1F過ぎから伸びが鈍って⑧着に敗れた。騎乗した大野騎手は「追ってから脚を取られてしまいました。この馬は綺麗な馬場が理想かもしれません」とコメント。次走はプリンシパルSに出走を予定。鮮やかに差し切ったセントポーリア賞と同じ東京コースに替われば、巻き返しを期待していいだろう。2番人気ルーカスは⑨着。ホープフルS当時より調整は順調だったものの、直線はピリッと脚を使えず。ただ、馬体はまだまだ実が入りそうに映り、まだ幼さも残る気性。良くなる余地は大きく、長い目で成長を見守っていきたいところ。
text by 藤原
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。