新緑の府中で試走完了


 2回東京2日目11R第53回GⅡフローラSはM.デムーロ騎手が騎乗した1番人気サトノワルキューレが豪快な直線一気を決めて優勝。1.59.5という勝ち時計はチェッキーノが勝った16年を0秒2上回るレースレコード。栗東・角居勝彦調教師の管理馬で父ディープインパクト、母ヒアトゥウィンという血統。生産は日高町の下河辺牧場。馬主は(株)サトミホースカンパニー。この結果、①着サトノワルキューレ、②着パイオニアバイオが5月20日に東京競馬場で行われるGⅠオークスの優先出走権を獲得した

 

ここからはフローラSで本紙予想を担当した京増TMのレース回顧です。

 

勝ち時計 1.59.5(晴れ・良)

前半5F → 後半5F 61.1 → 58.4 (Sペース)

13.1 – 12.0 – 11.8 – 12.1 – 12.1 – 12.0 – 11.9 – 11.5 – 11.3 – 11.7

 

パドックでのサトノワルキューレ(Photo by yu~kun)

 

【展開・ペース】

 押し出されるようにハナに立ったデュッセルドルフが先導役を務め、前半1000m通過は61秒1というスローペース。

【レース分析】

 パドックに現れたサトノワルキューレは均整の取れた馬体の造り。関東圏には初登場のため初見だったが、良血馬らしく品が感じられ、気配も良かった。スタートで出遅れて最後方を追走。流れが落ち着いた時点で万事休すかと思えたが、直線は大外からメンバー最速の上がりで他馬をゴボウ抜き。ここではモノが違った。1月の梅花賞は③着に終わったが、続けての2400m起用となったゆきやなぎ賞では牡馬を負かして結果を出しており、距離延長に不安はない。桜花賞組が参戦し、一気に相手が強くなる本番でも有力候補の1頭に。

管理する角居調教師は初めての関東遠征で馬体重がマイナス4キロと減った点について「デビュー時はカリカリして落ち着きとカイ食いに気を遣っていた。早くからオークスにと思っていた馬。本番に向けて体を増やしていけたらいいですね」とコメント。まだ繊細さの残る3歳牝馬。4週後は輸送を克服し、いい状態で出走できるかがポイントに。

 

サトノワルキューレの4代血統表

 

 パイオニアバイオは当日、プラス12キロと減っていた馬体が回復。活気も感じられた。確かに先行タイプに有利な展開ではあったものの、東京芝2000mの8枠から前目の位置を取りにいっての好走。3月に未勝利を勝ち上がったばかりでの重賞参戦となったが、豊富なキャリア、レース経験も生きて②着。敗れはしたが、内容は評価できる。

 

 

 ノームコアはテンションを上げ過ぎず、我慢してパドックを周回。昨秋以来の実戦だったGⅢフラワーCを叩かれた効果か馬体も引き締まって上積みは十分。レースではスローペースの2番手を進む、理想的なレース運び。ただ、瞬発力よりもスピードの持続力に優れたタイプ。結果的に勝ち馬には切れ負けした格好か。

 本命を打ったオハナは、もっと馬体重が増えてもいいと思える体つき。それでも、レース間隔を開け、追い切りでは前走よりもしっかり負荷をかけて、仕上がり自体は悪くなかった。好スタートを決めて、好位のインに収まった時にはシメシメと思ったが…。全姉のハナレイムーンは3歳秋になってから馬体に実が入り、2連勝。オハナもまた同様の成長曲線を描くのかもしれない。➃着サラキアにも触れておきたい。勝ち馬と同様に出遅れて後方から。直線ではなかなか進路が開かなかったものの勝ち馬からは0秒2差。スムーズに運べていたなら、もっと際どい勝負に持ち込めただろう。それでも、馬群を捌きながら追い上げたように能力の片鱗はアピール。今後が楽しみになる素材だ。

 

text by 京増真臣/構成・藤原

 

  ※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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