重ねた勝ち星を自信に変えて

 

 2018年3月25日(日)3回中山2日目11R第25回マーチS(GⅢ)は単勝2番人気に支持されたセンチュリオン(父キングカメハメハ×母ハンドレッドスコア)が優勝。初めての騎乗となった幸英明騎手とのコンビで重賞初制覇を達成しました。生産は白老の社台コーポレーション白老ファーム。馬主は窪田康志さん。管理する田村康仁調教師はこれがJRA重賞11勝目。

 

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

 

勝ち時計 1.52.1(晴・良)

前半3F → 中盤3F → 後半3F 36.4 → 37.9 → 37.8 (Mペース)

12.4 – 11.5 – 12.5 – 12.9 – 12.4 – 12.6 – 12.6 – 12.4 – 12.8

 

パドックを周回するセンチュリオン。Photo by yu~kun

 

【パドック】

 センチュリオンは相変わらず重厚感があって馬体の張り、毛ヅヤとも上々。前走の総武Sを勝ったあとも好調をキープ。クインズサターンはキビキビとした周回。こちらも状態は良さそうに見えた。大井から参戦したロワジャルダンはマイナス22キロ。ただ、これは馬体を絞ってきたもので、細くは映らず、マズマズの気配。

 

【展開・ペース】

 レースはディアデルレイエピカリスが引っ張って、前半1000m通過61秒7の平均ペース。結果、後ろ過ぎては間に合わず、①③④⑤着は4コーナーを4番手以内で通過した馬たちだった。

 

【レース分析】

 センチュリオンは4番手とペースを考慮すると絶好のポジションを追走。前を射程圏に入れながら運び、直線に向くと残り1ハロン標識手前で抜け出して先頭。最後はクインズサターンに迫られたものの、凌ぎ切って重賞初制覇。57キロを背負っていたが、ここまですべての勝ち鞍を挙げているベストの中山1800mで、キッチリとチャンスをモノにした。

テン乗りで勝利に導いた幸騎手は「初めての騎乗でしたが、とても乗りやすかったです。ゲートをスッと出てくれて、いいポジションにつけられて追ってからもしっかり脚を使ってくれました。直線に入ると前は射程圏に入っていたので、後ろから伸びてくる馬を警戒していましたが、上手に走ってくれたので、自分は特に何もしていません。今は本当に力をつけているんだと思います」とコメント。昨秋は差す形でオープン特別を勝ちましたが、前走、そして今回は好位追走から勝利。流れに応じた位置でレースを進められるようになったのは魅力。得意とする中山以外のコースでも結果を残せるようになれば、GⅡ、GⅠでも活躍が期待できるでしょう。

 

センチュリオンの4代血統表

 

 ②着はクインズサターン。普段は後方から脚を伸ばすタイプだが、今回は好位の直後を追走。いつもより前のポジションでレースを進め、4コーナーではスムーズに外へ。津村騎手は昨年12月の師走S以来、2度目の騎乗ながら、しっかり能力を引き出した。ここまで3勝を東京ダート1600mでマークしているが、1周競馬の1800mでも安定して走れるようになったのは成長の証。別定、定量の重賞でも好走できるのか、次走以降が試金石に。

 

好位から抜け出したセンチュリオンが勝利を掴んだ!

 

 ③着ロワジャルダンは3番手に陣取り、積極的な競馬。直線は前の馬を捌くのに手間取りながらも進路ができると内から鋭く脚を伸ばした。もともと、JRA所属時に重賞を勝っていた馬だが、力は健在。もうひと花咲かせても不思議はない。ハイランドピークはスタートで隣のアルタイルに寄られて躓き、後方から。主導権を握る形で勝利を積み重ねてきた分、いつもと違う形になって脆さが出てしまったか。圧勝だった前2走の内容からもポテンシャルは高く、これが実力でないのは明らか。エピカリスは馬体がこぢんまりと映り、存在感がひと息。ただ、今回は休み明け。順調にレースを使いながら復調するのを待ちたい。

 

text by 京増真臣/構成・藤原

 

表彰式のひとコマ。幸騎手、センチュリオンとも喜びの表情 Photo by yu~kun

 

 

  

 ※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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