レースは前半33秒8─後半33秒7の平均ペース。上がりの33秒7は過去10年を含めて最速タイ。最後まであまりラップが落ちない展開でした。5着までが0秒2差の間に犇めく大混戦で、最後はロスなく内を回った馬が上位に来たのも頷けます。ファインニードルは出がひと息でしたが、二の足が速く、周りに速い馬がいないこともあって、すぐに好位のインに収まることができました。直線に向いても手応えに余裕があり、追い出すとスパッと抜け出して快勝。

 ラインミーティアは中団のインを進んで、直線は少し前が支えましたが、最後は狭いところを割って伸びてきました。最近は直線競馬ばかりでしたが、久々の1200mもまったく問題ありませんでしたね。ダンスディレクターは中団の後ろからレースを進めて、直線で大外へ。上がり32秒6はレース2位。今回は7カ月半ぶりの実戦でしたし、着差と通った場所を考えると上々の内容と言って良いのではないでしょうか。後方から脚を伸ばしたメラグラーナは4着まで。直線は進路を探しながらでしたが、レース最速上がりの32秒4の脚を使って力は出し切ったかと。

 2番人気のフィドゥーシアは9着。前半33秒8は例年と比較してもそう速いペースではありませんし、ラスト1ハロンまでは先頭。石橋脩騎手の「ここ2戦で1000mのリズムになっていたし、大外枠も微妙に影響したかも知れません」とのコメントに敗因を求めたくなるところです。

 

 前半32秒8、後半34秒7のハイペース。ただし、走破時計の1分7秒5は同日9R1000万特別と同タイム。2ハロン目は10秒フラットとかなり速いですが、中盤2ハロンは遅いです。3ハロン目は過去10年のうち9回が10秒台ですし、4ハロン目の11秒5は過去10年で最も遅いです。全体時計と中盤のラップから推察するに先行有利。

 勝ったダイアナヘイローはスタート良く飛び出すと内の馬を行かせて2番手。4コーナーではいつでも前をかわせる手応えから、残り100mで抜け出して完勝でした。ハンデ53㎏もありますが、スピードをうまくコントロールできた点が勝因でしょう。1番人気のファインニードルは5着。手応えは良く見えました。実際にゴール前で急追しているのですが、残り100m付近で前が詰まったのが痛かったです。スムーズなら際どかったはず。

 

 1分9秒0は、過去10年(2013年の函館開催を除く)のキーンランドカップで、2014年と同じ最も遅い決着。例年より時計がかかるレースだったことが分かります。ただし、前半3ハロンは過去10年(2013年の函館開催を除く)平均より速く、後半のラップの落ちが顕著。上がりも時計もかかるレース。

 本紙本命のフミノムーンは大外から追い上げて4着。待機策で最初から外を回すつもりだったんでしょうが、ルメール騎手とは立ち回りの差が出てしまいました。展開に影響されるのは脚質的に仕方ありませんが、ちょっと勿体なかったかなぁ~と。結果論ですが……。1番人気のモンドキャンノは6着。直線は手応えほど伸び切れませんでしたが、ハイペースを経験するのは函館2歳S(1分9秒3で2着)以来でした。時計はほぼ同じ。成長力という点ではどうなんでしょうか。ただ、休み明けで3歳という年齢を考えると、まだまだこれからに期待しましょう。シュウジは3番手からでした。勝負どころで手が動きながら反応が悪かったですし、結局はしんがり負け。暗中模索が続きます。

 

 前半と後半の差が2秒4。ラスト1ハロンが12秒2とガクッと落ちているようにハイペースの前崩れ。人気の2頭はセイウンコウセイが4着、シュウジが10着。セイウンコウセイはこのペースを先行して2着とコンマ1秒差ですし、休み明けを考えると地力を示した内容。昨年の2着馬シュウジはハイペースで飛ばして直線半ばで止まってしまいました。脚を溜めるところがなく、見せ場のないままの敗戦。ちょっとレース運びが難しいタイプですね。

 

 徹底先行型が不在。前半3F通過は36秒4のスローペースとなり、馬群が凝縮。結果は10番→12番→9番(13頭立て)と1~3着を占めたのは比較的、馬場状態の良かった外目を自然に回れた外枠の馬でした。

 勝ったレッドファルクスは別定戦のため唯一、58キロの斤量を背負いながらも横一線の叩き合いからグイッと抜け出して快勝。パドックでは堂々と周回していた姿が印象的。改めてGⅠホースの底力を思い知らされました。

 

 今年は締まったペースで進んで、先行したラインスピリット、シュウジ、トウショウピストの3頭は直線で大きく失速。その一列後ろに位置したセイウンコウセイが馬場の中ほどを力強く抜け出してきました。前半33秒8はコース改修後2番目に速い数字。一番は昨年の32秒7ですが、あの超高速馬場でしたからね。それを考えると今年はかなり速いです。

 先行馬が失速した流れでしたが、この馬場だけにあまり後ろからでは届きませんでした。2着~5着は4コーナーまで内の進路を通り、直線も2着レッツゴードンキ、3着レッドファルクスはそのまま内へ。馬場とペースを考えるとタフな競馬だったことは間違いありません。それだけにロスなく運べた内枠の馬が上位を独占したのも頷けます。逆に外を回った馬や切れ味で勝負するタイプには厳しい競馬だったといえるでしょう。

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。