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競馬場跡地を巡る旅~明石競馬編~

皆様お久しぶりです、M.Mです。誰やキミは!?という方、初めまして。

 

 

競馬ブック M.M

 競馬があるところにはどこへでも足を運び、JRA、地方競馬場を踏破。2016年には香港にも遠征。JRAは勿論だが、地方競馬が大好物。ただ、馬券はド下手という致命的な弱点を持つ。どうしても競馬に関わる仕事がしたいと一念発起して、2017年競馬ブックに転職。業務で校正など、日々「日本語」と格闘中。

 

 

 

 前回の春木競馬場に続いて今回は明石競馬場です。最寄り駅は山陽電車の藤江駅、ですが例によって青春18きっぷ縛りのため、JR西明石駅から徒歩で向かいます。西明石は普段「行き先」で見るだけで、降りるのは初めての経験でした。国道250号線に沿って西側へ向けておよそ20分というところでしょうか。そこに跡地が現れます。まずはマップを見ていただきましょう。今回はまた結構それと分かる形が残っているような気がします。

 

 

 

 

 開催されたのは1928(昭和3)年から1939(昭和14)年までの11年という僅かな期間でした。コースの1周は1000mで、この競馬場は山陽電車の前身の系列会社が旅客誘致を目的に開設し、好調な売り上げを記録していたと言われています。しかしながら短い期間で廃止に追い込まれたのには戦争による軍馬資源保護法の成立がありました。それにより兵庫県内の競馬場は1カ所となり、現在の園田競馬場が存続し、明石競馬場は廃止となりました。

 

 

▲空から見た明石競馬場跡地

 

 

 それではコースの方に話を移しましょう。藤江駅から向かうと競馬場の正面となるわけですが、西明石駅から向かうと最初に目に入るのは3コーナーと思われる部分です。国道をかすめるように3コーナーのカーブがあり、歩道が途切れてカーブが残っている感じになっています。そのまま3コーナーから4コーナー方向へとカーブが続いており、住宅地を囲むような形状でカーブが残っています。

 

 

▲このあたりが3コーナー入り口付近!?

▲3~4コーナー付近

▲4コーナーあたり

 

 

 4コーナーを回ると当然ホームストレッチがあるわけですが、正直どの通りがストレートなのかは判別できませんでした。4コーナーの途中からいかにもそれっぽい一番大きな筋がありますが、コーナーの形状からしてもこの通りではコースが扁平過ぎると感じられます。その筋から1本2本南側が直線の通りではないかと想像しましたが、真偽のほどは分かりません。幅員は18mだったようなので、道路幅よりはもう少し広かったはずです。この筋あたりかなというところを1コーナー方面へ歩いていきます。

 

 

▲4コーナーを回り、大きな通りに出る

▲最後の直線と思われる通り

 

 

 最初に見ていただいたマップでは3~4コーナーに比べると1~2コーナーはいかにもといったカーブが残っていません。ですが、よく見ると少しだけ不思議な道があるのにお気づきでしょうか。短い距離ではありますが、何やら細い路地が残されています。形状と位置関係から推測してこれは1コーナーの名残ではないかと(勝手に)想像しています。1~2コーナーではそれ以外に目立った痕跡がなく向正面の方向へ歩いていきましたが、実際どの筋が向正面だったのかは判別できませんでした。パッと見では国道と接する3コーナー入り口から2コーナー方向へ引いた直線かなとも思いましたが、あるいはもう1本北側の、道が途中で途切れている筋なのか、その2本に跨る感じなのか。すっかり日も暮れてしまい、時間もなかったのであまり深く痕跡を探ることは断念しましたが、ここに競馬場が存在していたということははっきりと分かりました。

 

 

▲ここが1コーナーだったのではないか!?

▲1~2コーナーの名残が残っている

▲向正面のバックストレッチと思われる通り

 

 

 おまけというわけでもないのですが、今回訪問するにあたってネットなどで調べていたところ、当時競馬場の厩舎が火災に遭った際、被害に遭った馬を供養するためのものだったと言われている五輪塔があるという情報を見つけ、その五輪塔も探してみました。

 

 

 1コーナーと思われるあたりのもうちょっと先、そのまま道路は続いていないので、少し回り込むような位置にひっそりとそれはありました。文字が掘られていますが、よく判別できません。「〇〇塚」でしょうか。実際のところこの五輪塔がどういったものなのか、どういう経緯で建てられたものなのかはこれを見るだけでは知ることは不可能でした。

 

 

▲五輪塔を見つけることはできたが・・・

 

 

 というわけで日がすっかり暮れてしまったので今回の「18きっぷで一日回れるだけ跡地を回ってみよう」は終了です。もうちょっと日が長い季節にすればよかったとも思いますが、なかなか興味深い旅となりました。これで跡地企画は一旦終了、と言いたいところなのですが、実はその後他の場所も気になり何かのついでにと訪れたりしています。またいつかそのうちお目にかかりましょう。