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第23回 プロキオンS 回顧

第23回 プロキオンステークス

 2018年7月8日(日)3回中京4日目。土曜日からダートは時計が速いと思っていたが、日曜日はさらにその上をいく状態。同じ舞台の3歳以上500万下で一昨年の勝ち時計である1分22秒1が出るのだから、20秒台の決着になるのは容易に想像できたが、実際にその数字を見せられた時のインパクトはそれなりにあった。

 勝ったマテラスカイはそんな超高速馬場の恩恵を大いに受けたように感じる。1200mがベストのこの馬がハイラップを刻んでも4馬身差で逃げ切ったのだから。ただ、それは今回に限った話。これで今年に入って6戦4勝、2着1回。5着に敗れたのもドバイゴールデンシャヒーンでワールドクラスを相手に見せ場十分と地力強化が目覚しい。得意の1200mで行われる11月のJBCスプリントでどんな走りを見せるか楽しみ。

 2着のインカンテーションは勝ち馬とは対照的に前半はモタついたが、直線では馬群に突っ込んでロスを最小限にとどめる鞍上の好判断もあり2位浮上。4角10番手以下からの上位入線はこの馬のみと、地力の高さはしっかりと証明している。

 3着のウインムートは2番手からの粘り込みで馬場に助けられた部分もあるが、58㎏で勝ったあとの反動もなく崩れなかったあたりに今のデキの良さが窺えた。

 枠順が発表されて嫌だなと思った内枠の2頭。1番枠のサクセスエナジーは砂を被る位置で頭を上げて苦労していたが、4角で外に出すとじりじり差を詰めてきた。58㎏で厳しい競馬をした経験は今後につながる。中央での重賞制覇もそう遠くはなさそう。2番枠のドリームキラリは逃げてこそだが、初速の差が勝ち馬とは決定的で4番手になってしまった。以前なら脆さを出して大敗のパターンが、今回は諦めずに2着からコンマ2秒差に踏ん張れている。これならハナにこだわる必要はなく、2、3番手からの競馬になっても力は発揮できそう。

 昨年の勝ち馬キングズガードはよく追い込んだが7着止まり。馬場が最大の敗因だろうが、相変わらず左回りだとモタれてしまう。堅実さが増すのは右回りであることは間違いない。

text by 石井大輔 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。