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第53回 関屋記念回顧

 

 2回新潟6日目11Rに行われた第53回GⅢ関屋記念は単勝1番人気に支持されたプリモシーンが長く脚を使って差し切り優勝。3歳牝馬による勝利は1987年のクールハート以来、何と31年ぶり。久しぶりにプリモシーンとコンビを組んだ鞍上の北村宏司騎手はこれが最多タイとなる関屋記念4勝目となった。管理する木村哲也調教師は関屋記念は初勝利。プリモシーン北海道・安平町のノーザンファームの生産馬で、馬主は㈲シルクレーシング。

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

 

 

【展開・ペース】

 レースは好スタートを決めたエイシンティンクルが同型を制してハナへ。前半4ハロン45秒7~後半4ハロン45秒9とやや前傾ラップでケレン味のない逃げ。これを積極的に追いかけた組は厳しくなった。

 

 

【レース分析】

 プリモシーンは相変わらずパドックではテンションが高かったが、この程度は許容範囲内。プラス10キロの馬体増は成長分で、期待通りの成長曲線を描いている

課題だったスタートを五分に出たプリモシーン。道中はペースが速かったこともあって中団でスムーズに折り合えた。エイシンティンクルが飛ばしてお誂え向きの展開にはなったが、直線は弾けるように伸び、初めての古馬相手ながら鮮やかな勝ちっぷり。3歳牝馬で51キロ。古馬との力量差がグッと詰まってくる時期に、やはりこの斤量は有利。

北村宏司騎手のコメント 「スタートをうまく出てくれました。道中のリズムも良かったですね。直線で抜け出す際にハミに頼り、手前が戻ったところでヨレてしまいました。結果的に追い出しをもう少し待てば良かったのですが、最後はプリモシーンがよく踏ん張ってくれました。体重が増えていたように、しっかり実になり、中身が入ってきました。このまま順調にいってほしいです」

 

プリモシーンの4代血統表

 

 ワントゥワンはパドックで落ち着きがあり馬体の張りも上々。好調キープといった印象を受けた。スタートしてから最後方を追走して直線に賭けるレース。馬群が縦長になったことでコースロスなく立ち回れたが、レース上がりを1秒6上回るラスト3ハロン32秒8をマーク。驚異的な末脚を繰り出して②着に浮上。今後は展開ひとつで重賞タイトルに手が届きそう。

 本命を打ったエイシンティンクルはリラックスしてパドックを周回。気配の良さが目を引いた。結果的に少しキツいペースではあったが、ヤングマンパワーの追い上げは渋太い粘り腰で退けて0秒2差の③着に踏ん張ったのは立派の一言。上位2頭とは瞬発力の差が出た形だが、重賞初挑戦で、この内容だから地力強化は明らか。こちらもこれからが楽しみ。

 

text by 京増真臣/構成・藤原

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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