2回福島4日目11R第54回GⅢ 七夕賞は単勝11番人気の伏兵メドウラークが優勝。七夕賞は橋田満調教師丸田恭介騎手ともに初勝利。メドウラークは北海道安平町のノーザンファームの生産馬で、馬主は吉田勝己さん。通算成績は34戦6勝。これが重賞初勝利。

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

 

 

【展開・ペース】

 この日の福島の芝コースは稍重でスタート。午後になって良馬場に回復したものの、かなりタフなコンディション。マイネルミラノが後続を離し気味に逃げて前半5ハロン通過タイムは58秒2。馬場状態を考慮すればこれは超の付くハイペースで上がり3ハロンが38秒6もかかる消耗戦に。そんな展開が大波乱を演出した。

 

【レース分析】

 勝ったメドウラークは重、不良馬場で行われた芝のオープン特別で③着が3回。今回のような力のいるタフな馬場は得意なタイプ。道中は後方を進み、3コーナー付近から外へ持ち出しつつスパート。前が止まってしまう展開の恩恵もあり、最後はマイネルサージュとの追い比べを制して見事に重賞初制覇。

「道悪が上手なので、いい手応えで回ってくることができました。3~4コーナーでは外からマイネルサージュに被せられないようにしたかったんですが、しっかりとポジションを取り切れたので大丈夫だと思いました。福島競馬場100周年記念という舞台で勝つことができたし、自分自身も3年続けての重賞制覇(※1)になりました。幸せな気分です」と殊勲の丸田騎手。

 

 

 マイネルサージュも勝ち馬同様、前崩れに乗じて②着。結果的に1コーナー通過時点で後方2番手だったメドウラーク、そして最後方を進んだマイネルサージュの2頭がワンツー。③着に食い込んだのは12番人気のパワーポケット。道中は内ラチに張り付くようにインをピッタリと回ってロスを抑えた分だけ直線でも余力があった。これも鞍上の江田騎手の思い切った判断がうまく嵌まった。

 しかし、戦前にマイネルミラノが何が何でもハナを切り、しかもここまで速いペースになるとは考えもしていなかった。また仮に展開を予想できていたとしても、メドウラークに印を回すのも難しい。ハンデ戦ではあるが、想像の斜め上を行くレース、結果となった。

 

 

text by 京増真臣/構成・藤原

 

※1 丸田騎手は2016年6月にGⅢ函館スプリントS(ソルヴェイグ)、2017年1月にGⅢフェアリーS(ライジングリーズン)を制しており、これで3年続けてのJRA重賞制覇。驚くべきはソルヴェイグが単勝12番人気、ライジングリーズンが10番人気、そして今回のメドウラークが11番人気でしかも単勝万馬券。稀代の穴メーカーと呼んで差し支えない。

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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