2月16日に東京競馬場で行われた第54回GⅢ共同通信杯(芝1800m・3歳・別定)はダーリントンホール(単勝3番人気)が激しい叩き合いを制して優勝。初めての騎乗となったC.ルメール騎手に導かれて重賞初制覇を成し遂げた。管理する美浦・木村哲也調教師は先週のGⅢ東京新聞杯に続く、2週続けての重賞勝ち。ダーリントンホールは英国キャニングブラッドストック社の生産馬。馬主はゴドルフィン。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 先手候補と目されたシコウが戦前から待機策を示唆。最内枠に入ったエンも先手を主張することはせず、ビターエンダーが押し出されるようにハナを切った。前半1000m通過は63秒2のスローペース。稍重という馬場コンディションに加え、各馬の位置取り、勝負どころのコース取りが勝敗を分けた

 

パドックを歩くダーリントンホール(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】 ダーリントンホールは前走から馬体重がプラス2キロ。数字こそ微増でも、前回よりも馬体が引き締まって、身のこなしも滑らか。ここ照準に乗り込まれていい仕上がりに映った。遅い流れを考慮し、C.ルメール騎手は3コーナー付近から前との差を詰めに動く。直線に向き、逃げるビターエンダーが馬場の真ん中へ持ち出したところを、すかさず内へ。仕掛けどころ、コース取りはバッチリ。鞍上の好騎乗が勝因だが、ビターエンダーに競り勝った勝負根性、そしてスローペースの中、速い上がりでまとめて1分49秒6の走破タイムまで引き上げた脚力は相当。③着以下が4馬身離れたのも納得がいく。

 

ダーリントンホールの4代血統表

 

「最後は②着馬との戦いでしたね。一生懸命走って、ずっとファイトしてくれました。フットワークが大きく掛かるところがあるので、一番大事なのはリラックスして走らせることなんです。そうすれば、パワーはたくさんありますからね。うまくいって、東京の長い直線で持ち味の長い脚を使うことができました。子供っぽくて緩さが残るのでまだまだレース毎に良くなりそうです。GⅢを勝ったので、これで次のステップに行けますね」C.ルメール騎手。

 

 

 ビターエンダーは前走のGⅢ京成杯からマイナス10キロ。体が絞れて、歩様に伸びやかさが出たし、叩いた上積みは十分。確かにスローペースの恩恵はあったにしても、自身も34秒3と速い上がりを駆使し、③着以下は引き離している。敗れはしたが、強い②着と言えるね。本命に推したフィリオアレグロの馬体増は成長分。先を見据えた仕上げで、まだ良化余地は残す馬体ではあったが、マイラプソディとの追い比べを制して③着。デビュー戦で重馬場をこなしてはいるが、ディープインパクトの産駒。上位2頭とは道悪馬場の巧拙の差が出た可能性もある。

 マイラプソディは仕上がりが良く、パドックを歩く姿も非常に良く見えた。しかし、遅いペースの中、外を回るロスがあったのに加え、瞬発力を削がれるような馬場も影響したか末脚不発。2018年のグレイルと同様に京都2歳Sの勝ち馬で1番人気に支持されながらも凡走してしまった。ただ、今回はクラシックに向けてのあくまでトライアルであるのも事実。本番での評価に悩まされる。

 

                                 text by 京増 真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・新馬組でも前走が芝2000mだったフィリオアレグロは③着まで。また、今年も未勝利組、OP特別組から好走馬も出なかった。勝ったダーリントンホールは前走が1勝級③着。来年以降は1勝級は前走②着以内→③着以内と条件を緩和する必要がある。

〇戦歴・・・3戦無敗だったマイラプソディがまさかの④着。これで2戦以上を消化し、無敗だった馬は6頭出走して半数が着外だから過信は禁物。ただ、新馬戦敗退→その後2連勝した馬も②①④⑤着だからこちらも信頼は置きづらいところ。減点がなかった馬同士の馬連、馬単ボックス買いが有効か。

 


 
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