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第32回 セントウルS 回顧

 

第32回 セントウルS(G2)

 優勝はファインニードルでした。G1ホースの力を見せつける形で連覇達成。目標のスプリンターズSに向けて好発進です。川田 将雅騎手は2010年ダッシャーゴーゴー以来、このレース3勝目。管理する高橋 義忠調教師は昨年に続いて2勝目となります。ファインニードルの父アドマイヤムーン産駒は、過去3年の阪神芝1200mで(11.7.3.28)で第1位。連対率.367、3着率.428を誇ります。それではレースラップへ。

 

1:08.8(12.0 – 10.5 – 10.8 – 11.3 – 11.5 – 12.7)

 前半3ハロン33秒3は過去10年(すべて良馬場)で4番目に速い数字。重馬場ということを考えると掛け値なしで速いです。それだけに最後の1ハロンは12秒7とガクッとペースが落ちました。ラップ的には差し有利に加えて、底力が問われた形。当然、道悪の巧拙もあったでしょう。勝ったファインニードルは1週前のフォトパドックでは余裕のある体つきでしたが、思った以上に仕上がっていました。時計がかかった今年の高松宮記念を制したのように馬場適性がありましたし、底力を問われる展開も望むところ。目標であるスプリンターズSを見越して仕上げ、58㎏を背負って勝ちっぷりにも余裕があり、完勝です。

 ラブカンプーは1着ならサマースプリントシリーズ&鞍上のM.デムーロ騎手もサマージョッキーズシリーズ優勝が決まる一戦。レースは好スタートからハナへ。外からネロが競り掛けてきますが、譲らずに2頭で後続を引き離す形。厳しい展開に加えてタフな馬場の中でも直線で一旦抜け出します。最後はさすがに止まりましたが、目一杯粘って2着確保は立派。3歳牝馬で斤量が52㎏とはいえ、他の牝馬や3歳馬は二桁着順に終わっています。北九州記念の内容も良かったですし、重賞タイトルは近いうちに獲れそうですね。

 3着には7番人気のグレイトチャーターが入りました。道中は集団の最後方につけて、直線で外へ。幸騎手が「外を回りたくなかったので、下げる形になりました。内枠だったら楽に中団につけられていたと思います」といった通り、この枠と馬場を考えるとうまく乗られたと思います。前回の北九州記念は展開が嵌まりました。今回も馬場や流れ自体はこの馬に向いたと思いますが、別定戦でこの走りですから力をつけています。

 コウエイタケルは中団のインでジックリと。直線もラチ沿いを通ってジワジワ伸びてきました。タフな競馬だっただけに最もロスのない競馬ができたことが大きかったですが、7歳でもまだ進化しており、ステイゴールド産駒らしい成長力。同じく7歳ラインスピリットは前から離れた3番手でレースを進めて、持ち前の渋太さを発揮。今回は自分の競馬ができました。

 ネロは道悪もあって3番人気に支持されました。ただ、今回は展開でしょう。内の2着馬が速く、ハナを取りきれず、道中はハイペースで競る形。よく0秒4差に粘っています。アンヴァルは思ったほど前へ行けず、直線も伸びを欠いて10着。こちらも道悪適性を見込んでの5番人気でしたが、以前不良馬場で勝ったのは2歳500万でのものですし、今日の結果を見ると道悪は今ひとつでしょうか。4番人気のダイアナヘイローはレース後に鼻出血が判明。

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

雨の中を力強く抜け出すファインニードル

 

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