進化遂げ、歴史にその名を刻む

 2017年10月1日(日)4回中山9日目11R第51回スプリンターズS(GⅠ)は、単勝1番人気に支持されたレッドファルクス(父スウェプトオーヴァーボード×母ベルモット)が優勝。サクラバクシンオー、ロードカナロアに続く史上3頭目のスプリンターズS連覇を達成しました。管理するのは尾関知人調教師。鞍上のM.デムーロ騎手とのコンビでは8戦5勝2着2回。崩れたのは昨年の香港スプリントだけ。国内での安定感は抜群ですね。

レースを振り返ってみましょう。

勝ち時計 1分07秒6

前・後半3F 33秒933秒7

11.9 – 10.8 – 11.2 – 10.9 – 11.1 – 11.7

《参考》16年勝ち時計 1分07秒6

前・後半3F 33秒434秒2

11.8 – 10.5 – 11.1 – 11.2 – 11.2 – 11.8

 開催最終週を迎えた芝コースは、内目が若干傷んでいるものの、内外のコース取りによる差は特に感じられないフェアな馬場コンディション。前半3Fが33秒9(10R勝浦特別が同33秒4)のスローペースでしたから逃げ、先行馬と内を通った馬が活躍しました。

 そんな差し・追い込みタイプには厳しい展開の中、レッドファルクス残り1Fで外目に進路を確保して追い上げ態勢に入ると、豪快に差し切ってスプリンターズS連覇を達成。決め手は昨年より凄みを増した印象で、この展開を勝ち切れるのですから、本紙の本命はレッドファルクス以外には有り得ませんでした。紙面を見て、メラグラーナを買われた方には申し訳なかったです。

 そのメラグラーナは、レッドファルクスよりも位置取りが更に後ろ。結果的に末脚不発に終わってしまいました・・・。予想した段階では、もう少し逃げ、先行馬が競り合うと思っていただけに、展開の読みも甘かったですね。

 2着レッツゴードンキは、1枠2番を生かしてインにこだわるレース運び。直線半ばで一旦はラチ沿いから抜け出しました。今回に関してはレッドファルクスの末脚、力を褒めるべきでしょう。それでも、改めて地力の高さを示し、岩田騎手の真骨頂といいますか、勝負を賭けた騎乗も光りました。

 3着ワンスインナムーンは、スローペースの恩恵もありましたが、内のフィドゥーシア、外のダイアナヘイローを制し、石橋脩騎手が迷いなく積極的に運んだことが絶好の展開を呼び込みましたね。ここにきての地力強化は顕著。この3着を足がかりにして、さらなる飛躍を期待したいところです。

text by 京増真臣/構成・藤原

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。