名手に導かれマイル女王の座に

 2017年5月14日(日)2回東京8日11R 第12回ヴィクトリアマイル(GⅠ)は、6番人気のアドマイヤリード(父ステイゴールド×母ベルアリュールⅡ)が優勝。アドマイヤリードに騎乗したC.ルメール騎手はこの日、東京で4勝2着5回。JRA通算600勝を達成した絶好調の鞍上に導かれての戴冠となりました。管理する須貝尚介調教師はゴールドシップで制した15年天皇賞・春以来となるGⅠ制覇で通算11勝目。

それでは、レースラップです。

勝ち時計 1分33秒9 前・後半4F 47秒946秒0

12.6 – 11.2 – 11.8 – 12.3 – 12.2 – 11.1 – 10.8 – 11.9

 

 半マイル通過は47秒9。これはエイジアンウインズが勝った08年に並ぶ、レース創設後、最も遅い流れ。加えて前日の雨が残って水分を含んだ馬場の影響もあって波乱の結果となりました。

 勝ったアドマイヤリードは、道中でミッキークイーンデンコウアンジュより後ろのポジションを進みましたが、コースの内目をロスなく追い上げて4コーナーでは7番手。直線に入るとスマートレイアーソルヴェイグの間の狭いスペースをこじ開け、最後は抜け出して見事に優勝。ルメール騎手はアドマイヤリードが長くいい脚は使えないものの、素晴らしい瞬発力を持っていることを理解し、直線では追い出しを我慢。最後にその長所、瞬発力を上手に引き出しました。また当日は馬体が研ぎ澄まされており、上々の仕上がり。そしてアドマイヤリード自身の成長力と渋った馬場に適性があったことも噛み合って勝利を引き寄せました。

 2着デンコウアンジュはかなり外を回るロスがあったことを考えれば一番強い競馬でした。ミッキークイーンを瞬発力で上回り、メンバー最速タイの上がりを使っています。戦績を見ましてもムラ駆けでアテにできませんが、ツボに嵌まった時の爆発力を改めて見せつけられました。前走の福島牝馬Sは4着でしたが、いつもとは違い、向正面で一気に進出し、見せ場を作りました。あの競馬がカンフル剤と言いますか、いい刺激となって今回の好走につながったのかなとも思います。

 3着のジュールポレールは流れが遅かったのでコースロスを抑えられる2枠3番という枠順が好走要因のひとつでしょう。ただ、ディープインパクト産駒で今日のような馬場は決して得意ではありません。最後まで渋太く脚を使っていましたし、これは地力強化を示す内容でしたね。

 ◎を打ったミッキークイーンスタートが良く、楽に中団につけられました。前を射程圏に入れながら絶好のレース運びに映りましたが、直線では本来の瞬発力を発揮できずに7着。パドックでは数字以上に馬体を大きく見せて、いよいよ完成の域に達してきたと思ったんですが。2走ボケ、稍重の馬場・・・そのあたりが敗因になるんでしょうか。

 
text by 京増真臣/構成・藤原

 

 

 

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