4回中山初日11Rに行われた第3回GⅢ紫苑Sは2番人気のノームコアC.ルメール騎手との初コンビで後続に3馬身の差をつけて快勝。まだ陣営は秋華賞への参戦を明言していませんが、駒を進めてくれば注目の1頭となりそうですね。管理する萩原清調教師は6月のユニコーンSに続いて今年のJRA重賞2勝目。ノームコアは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、馬主は池谷誠一さん。通算成績は5戦3勝。この結果、②着マウレア、③着ランドネまでの3頭が秋華賞の優先出走権を獲得した。

それではレースを振り返ってみましょう。

 

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【展開・ペース】

 先週末は不順な天候のところが多かったですが、関東南部で大きな崩れはなく、中山の芝コースも開幕週らしい良好なコンディション。昨年よりも少し時計が速いくらいでした。それを考えると1000m通過60秒1のラップは緩く映りますが、土曜日は向正面のバックストレートに強いアゲンスト(向かい風)の風が吹いており、数字ほど先行タイプに有利な展開、ペースとはいえないような状況でした。

 

 

【レース分析】

 勝ったノームコアは春のイメージよりも1列後ろの位置でしたが、外目の枠でも鞍上が馬群の中に誘導して折り合いもバッチリ。向正面で仕掛ける馬がいても自身は動かずに、4コーナーを抜群の手応えで回ると追われての反応も鋭く、一気に抜け出してきました。直線は追い風だったので、この日の中山は上がり2ハロンが加速ラップになるレースが少なくありませんでしたが、それでも11秒5→11秒2は優秀で、全体の時計もコースレコードと0秒2差の好タイム。

「今日は向正面の風が強かったので、他馬の後ろのポジションでカバーを作りたかったんです。うまく運べて抜け出す時の反応も良く、ゴールまで頑張ってくれました」C.ルメール騎手はコメント。春との比較では瞬発力が強化されたことが大きな違いですし、昨年、当レースを勝ったディアドラと同様、ハービンジャー産駒らしい成長力を感じるレースぶりでした。秋華賞に向かえば当然、本番では手替わりとなるでしょうが、2冠女王との対決が実現してほしいものです。

 

ノームコアの4代血統表

 

 

 ②着のマウレア(1番人気)は春の実績を考えると前哨戦でも完敗の②着は少し物足りなく感じましたが、レース後に跛行が判明した模様。これでは仕方ありませんし、先に向けて影響が残らないことを願いたいですね。

 ③着ランドネ(7番人気)は中間から追い切りで好タイムが出ており、調教VTRをチェックした時にも、春から最も成長しているのはこの馬かも、と見て注目していましたが、気分良く先行できたこともあって秋華賞への出走権を獲得。ただ、ラップだけを見るとスローの逃げ粘りで恵まれた印象を受けますが、道中で強いアゲンストを受けた影響もあったはず。展開利だけで健闘したとは考えない方がいいでしょう。

 ④着パイオニアバイオ(6番人気)は②着馬の後ろで馬群の内目。直線で外に持ち出すロスがありましたが、ゴール前の伸び脚は目につきました。春は前で捌いて渋太い印象でしたから、新たな面が見られたのは収穫。血統的な魅力もありますし、賞金的に秋華賞出走も可能と思われますから、本番でも無視できない存在になりそうです。⑤着ハーレムライン(10番人気)は26キロ増という数字ほどではなくても、いくらか余裕のある体つき。それでも、早目の仕掛けで見せ場がありましたし、中山芝1600mの速い持ち時計が伊達ではないことを確認できました。叩いた次走で距離を詰めてきた場合は狙い目になりそうな気がしています。

text by 五十嵐

 

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