5回東京2日目11Rに行われた第56回GⅡアルゼンチン共和国杯は3番人気のパフォーマプロミスが直線で余裕のある手応えから抜け出して快勝。今年のGⅡ日経新春杯以来となる重賞2勝目を挙げました。騎乗したC.オドノヒュー騎手はJRAの重賞は初勝利。管理する藤原英昭調教師は皐月賞を含めて今年のJRA重賞4勝目となりました。パフォーマプロミスは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。通算成績は15戦7勝。

 

それではレースを振り返ってみましょう。

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【展開・ペース】

 スタート直後はノーブルマーズが先頭に立つシーンもありましたが、すぐに外枠からウインテンダネスが主導権を奪うと流れは落ち着き、前半1000m通過タイムが62秒9の超スローペース。レース上がりが33秒3でしたから後方にいるようでは首位争いに加われず、先行した馬と、ある程度の位置から速い脚、瞬発力を使える馬の勝負になりました。

【レース分析】

 パフォーマプロミスはスローペース、初めての鞍上でも、まったく行きたがるようなところは見られず、道中は中団の外目を追走する形になって折り合いはスムーズ。直線を向いた時も手応えは十分で、仕掛けられると鋭く反応して抜け出し、危なげのない勝ちっぷりでした。出走取消で予定していた京都大賞典を使えずに、復帰が遅れていましたが、当日版のコラム、着眼でも述べたように、この馬は鉄砲巧者で久々は割引材料にならず、緒戦から期待通りに能力を発揮してくれました

「藤原先生から、自信を持って出走させるから好きに乗るように、と言っていただいたので、自信を持って騎乗することができました。先頭に立つと止まるようなところを見せましたが、着差をつけて勝つタイプではないと思いますし、まだ余力があるように感じましたとレース後にC.オドノヒュー騎手もコメントしています。

パフォーマプロミスの4代血統表

 1番人気に支持された②着のムイトオブリガードは勝ち馬を0秒1凌ぐ、上がり最速の脚を使って追い上げましたが、勝負どころでの反応の違いと、位置取りの差を詰め切れませんでした。それでも2度目の重賞挑戦で、この内容ですから力をつけていることは間違いありませんし、まだ伸びしろもあるように感じます。

 ③着マコトガラハット(11番人気)は石川裕騎手の積極的な騎乗と51キロの軽ハンデが馬券圏内に食い込んだ要因でしょう。ただ、六社Sでは自身との斤量差が2キロ(今回は4キロ差)で、勝利したムイトオブリガードと0秒2差でしたから、人気の盲点になっていた気もしますね。自己条件に替われば当然、マークが必要でしょう。④着のウインテンダネス(4番人気)は春のGⅡ目黒記念を馬群の内に控える競馬で勝っていましたが、準OPを勝利した際は逃げ切り。どちらの戦法がベストかは判断しにくいですが、その準OP緑風S勝利時は1000m通過が61秒6でしたから、逃げるのならばもう少しペースを上げて、後続に脚を使わせた方が良かったかもしれません。

 2番人気だったルックトゥワイス(⑧着)は上がりの数字だけなら①②着馬と遜色なく、スタートの出遅れが痛かったですが、ペースを考えると途中で動く選択もあったのでは、という気がします。いずれにしても力負けではありませんし、この馬も③着馬と同様、まだ準OPに出走できるので、巻き返しは可能でしょう。

text by 五十嵐友二

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