5回東京1日目11Rに行われた第54回GⅡ京王杯2歳Sは2番人気のファンタジストが接戦を制して優勝。鞍上は武豊騎手。9Rの南武特別をオジュウチョウサンで制し、メインレースもジャックとこの日の東京競馬場を大いに沸かせた。管理するのは梅田智之調教師。ファンタジストは北海道日高町・シャルファームの生産馬。馬主は廣崎利洋さん。通算成績は3戦3勝。
それではレースを京増TMに振り返ってもらいましょう。
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【展開・ペース】
シングルアップが主導権を握ると予想していたが、前走と同様にスタートで出遅れ。メイショウオニテが押し出されるようにハナへ立ったものの、前半3ハロン通過は38秒0。今年は昨年よりも3頭少ない8頭立ての小頭数。それでも、2戦2勝と土付かずの馬が3頭いて、見応えのあるレースになる。そう考えていたのだが、蓋を開ければ超スロー。そのため地力よりも立ち回りのうまさ、位置取りが勝敗を分ける格好に。各馬の評価は次走以降に持ち越しになった。
【レース分析】
ファンタジストは、逃げたメイショウオニテの直後で折り合いに専念。直線に向くと開いたインを突き、最後はアウィルアウェイの追い上げを、来れば来るだけ伸びるような感じで、ハナ差凌いで無傷の3連勝。馬体重が前走からプラス10キロとロードカナロア産駒らしく逞しさが出てきたのは好感。
「凄く遅いペースになったけど、しっかり折り合いがついて、極端に速い上がりの勝負にも対応してくれました。一戦毎に良くなってきていますね。この内容なら距離が更に延びても大丈夫でしょう。これからがますます楽しみになりました」とレース後の武豊騎手。非常にセンスが良く、鞍上も語っているように今日のようなレースができればマイルに距離が延びてもこなせるだろう。GⅠ朝日杯FSは武豊騎手が1度も勝っていないレース。制覇を向けて今年はファンタジストという強力な相棒が出現した。
②着アウィルアウェイはスタートで後手を踏み、後方待機策。直線はファンタジストの更に内から猛追。ファンタジストに迫った脚はさすがと思わせた。馬体重がプラス10キロと夏よりもひと回り体が成長して厚みが出ており、パドック、本馬場入場では雰囲気の良さも目を引いた。次走でどんな走りを見せるのかに注目したい。
③着カルリーノは、展開の恩恵はあったが、好位で流れに乗って、渋太さを生かすレースができた。テンションは高めだが、マツリダゴッホ産駒だけに、これくらいの気合乗りでいいように思える。アスターペガサスは瞬発力勝負になって、もうひと押しが利かなかった印象。プラス12キロという体重は成長分だろう。昨年は同じく函館2歳Sを優勝していたカシアスが連対を果たしたが。折り合いがついて、どれだけの脚が使えるか。次走以降、課題をクリアしての巻き返しに期待したい。
text by 京増真臣/構成・藤原
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