第35回GⅢフェアリーSを制したのは単勝3番人気に支持されたフィリアプーラ。直線に向くと豪快に差し切って重賞タイトルを獲得した。フィリアプーラは2011年に中山でGⅠ朝日杯FSを制したアルフレードの半妹。血が騒ぐ?のか中山マイルで未勝利、GⅢと2連勝を達成。騎乗していたのは丸山元気騎手。管理するのは美浦の菊沢隆徳調教師。フィリアプーラは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。
それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。
【展開・ペース】
テンに軽く促してサンタンデールが先導役を買って出て、プリミエラムールとグレイスアンが続いた。半マイル通過は48秒8。これは1600mとして施行されるようになった2009年以降では最も遅いペース。道中で動いていくような馬もおらず、直線に向いてからは瞬発力比べに。逃げ込みを図るサンタンデールに迫るグレイスアン。残り100m付近からは後続勢がドッと殺到。①~⑭着までがコンマ8秒差にひしめく結果となった。
【レース分析】
混戦を断つように鮮やかな差し切りを決めたのがフィリアプーラ。今回は中2週での出走だったが、大きく体重を減らすことはなく、パドックでは落ち着き十分に周回。好調キープを印象付けた。4コーナーで外へ持ち出すと、直線は力強く伸びて豪快に突き抜けた。流れが落ち着き、先行勢に有利な展開だったことを踏まえれば、着差は僅かでも完勝と言える内容。大半が1勝馬だけにレースレベル自体はそう高くない分、クラシックで通用するかどうかは今後の成長度合が鍵を握ることになりそうだ。
「スタートは出たんですが、リズム良く運ぶことを心掛けていたので、あの位置から。前半にいい感じで折り合えた分、最後は弾けましたね。まだ若く、精神的に安定していない面はありますが、競馬に行けば乗りやすいですし、終いは確実に伸びてくれます。また乗せていただけるチャンスがあれば、この馬のいいところを引き出したいですね」と丸山元気騎手。
②着ホウオウカトリーヌは馬群の中で脚をタメて直線でもしっかり伸びているから収穫の大きいレースだった。初めてだったマイルをこなしたことで今後の選択肢も増えた。それにしても立ち回りがうまい。③着グレイスアンはスッと先行集団に取りつき、直線では坂を上がって一旦先頭に立つシーン。確かに展開は味方したが、上位2頭に比べると外枠だった点を考慮するとレースセンスの良さが光った。まだ1勝クラスに出走できるから次走も注目したい。
本命に推したアクアミラビリスはスタートが悪く、ポジションを取りに行って、道中は掛かり気味。コーナリングもギコちなく、幼さが目立ったけど、見せ場は作って能力の片鱗はアピール。この馬も心身ともに成長してくれば、活躍が期待できそうだ。
text by 京増真臣
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