3回東京4日目11R第35回GⅢ エプソムカップは単勝2番人気のサトノアーサーが優勝。これが重賞初勝利。鞍上は戸崎圭太騎手。管理する栗東・池江泰寿調教師は2012年トーセンレーヴ以来、2度目のエプソムC制覇となった。サトノアーサーは父ディープインパクト、母キングスローズという血統。生産は北海道・安平のノーザンファーム。馬主は㈱サトミホースカンパニー。

それではレースを京増TMに振り返ってもらいましょう。

 

 

【展開・ペース】

 当日は昼頃から雨脚が強まり、馬場状態の発表は重馬場。馬場の巧拙、そしてコース取りが明暗を分けた。約2年ぶりの実戦となるスマートオーディンが先導役を買って出て前半1000m通過は59秒6。平均ペースではあったが、タフな馬場コンディションの影響から前に行った組には厳しい展開だった。

 

パドックを闊歩するサトノアーサー(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】

 サトノアーサーはスタートが決まり、ポジションを取りに行って中団を追走。終始、馬場のいい外目を通れたことも勝因のひとつで、大外枠がプラスに働いた。積極的に運びながらも、折り合いをつけられたあたりは戸崎騎手の手腕。良馬場がベストの馬だが、休み明けをひと叩きされ、状態も上向いており、すべてがうまく噛み合って待望の重賞制覇。

 

 

「馬場は午前中より緩くなっていました。大外なのでゲートを出てみないと分かりませんでしたが、中団につけたいと思っていました。こんな馬場でも問題はなかったし、スタートも良かったですね。フットワークがいいし、まだまだ良くなりそう。これからも楽しみです」と戸崎騎手。初騎乗ながらほぼ完璧に乗りこなし、更に良くなるという手応えも感じた様子。

 ハクサンルドルフは勝ち馬と位置取りの差が出てしまったが、メンバー中、最速の上がりをマークして②着。前走の新潟大賞典では直線でスムーズさを欠きながらも0秒4差。重賞でも瞬発力は互角以上。たとえ良馬場でも、いい勝負になっていたとは思うが、重馬場は苦にしないタイプだけに、恵みの雨になったか。

 

 

 グリュイエールは勝ち馬をマークするように運んで手応え良く直線へ。見せ場を作ったが、最後はモタれる面を見せて③着。地力の高さは示したが、やはり良馬場の方がいいタイプか。

 本命を打ったダイワキャグニーはキングカメハメハ産駒で道悪はこなせるだろうと期待を持っていたが、道中の行きっぷりから悪く、結果的に馬場が合わなかった印象。それでも、パドック、返し馬の様子は以前より落ち着きが感じられ、気性面は着実に成長している。今回は崩れてしまったが、今後に期待したい。

 

text by 京増真臣/構成・藤原

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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