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第26回 チューリップ賞 回顧

 

 昨年の覇者ラッキーライラックは桜花賞で②着。その前2年の覇者であるソウルスターリングは③着、シンハライトは②着。桜花賞トライアルに相応しく、本番に直結するレースといえる。今年は2018年の最優秀2歳牝馬ダノンファンタジーが単勝1.3倍の人気を集めた。阪神JFでダノンから0秒3差の④着に駆けたシェーングランツが4.5倍で2番人気。同レース⑥着のメイショウショウブが3番人気と阪神JF組が上位に支持され、未勝利戦を勝ったばかりのシゲルピンクダイヤが17.2倍で4番人気と続いた。

 

 ダノンファンタジーは抜群のスタートで一旦はハナを切る形になったが、川田騎手はガッチリと抑えて外の馬を行かせる。道中は力んでいたが、好位のインで脚は溜まっていた。直線に向いて前が壁になって詰まりながらも、どこから抜け出そうかという手応えで余裕十分。残り1ハロン手前で馬群の外に持ち出し、力強く抜け出す。ゴール前で再び手前を替えながら着差以上の完勝だった。完成度の高い馬。4連勝で桜花賞へ。

 2着には未勝利を勝ったばかりのシゲルピンクダイヤが入った。もともと未勝利勝ちの時計は優秀。それも加速ラップを差し切ったように性能は申し分なかった。馬体はマイナス10㎏で小ぢんまり映ったが、足元の関係もあって休み明けでもビシッと追い切っておらず、その点でも高く評価できる。レースは最後方から。向正面、直線と内にモタれていたが、メンバー最速の上がり33秒6で追い上げてきた。

 3着ノーブルスコアまでが桜花賞の優先出走権を獲得。パドックではチャカついて、馬体重はマイナス12㎏。スタートではオーパキャマラードが内にヨレたことで玉突き事故的に外の馬と接触。後方からのレースとなったが、道中の手応えは十分。直線は勝ち馬の進路をトレースする感じで伸びてきた。2着とはハナ差だが、内容、上がり目という点では上の2頭に譲ってしまう。

 ドナウデルタは中団馬群の外を追走。この馬も前走からマイナス12㎏の仕上げ。直線では内で詰まった勝ち馬を尻目に一旦先頭に立ったが、そこで手前を替えてしまい内にモタれて甘くなる。気性的なものだろうか、どうにもアテにしづらい。

 シェーングランツメイショウショウブは、それぞれ5着、9着と人気に応えることができなかった。前者は残り3ハロン地点での反応が今ひとつで、直線もフワフワした走り。あくまでトライアルと割り切るか、もっと距離が延びてからの方がいいのかは判断が分かれるところ。後者は出遅れて自分の形に持ち込めなかった時点で厳しかった。二の足で挽回を図ったが、外からオーパキャマラードに入られて頭を上げて引かされる。それでも、勝負どころで外から早めに進出。さすがに最後は脚が上がってしまった。

text by 小林  

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。