2019年3月17日(日) 1回阪神8日

 G1ホースの参戦はなし。重賞勝ちはシャケトラ、アドマイヤエイカン、リッジマン、ステイインシアトルの4頭。中でも複数の勝ち星を挙げているのはシャケトラだけ。直前にAJCCを勝っているということもあって、これが2.2倍で1番人気。2番人気が4.2倍でリッジマン。3番人気が休み明けの愛知杯5着を叩いて臨むコルコバード。4番人気アドマイヤエイカンが7.8倍と、ここまでが単勝一桁台。レースは長欠明け好走の反動もなく、シャケトラが勝利。この勝利で管理する角居 勝彦調教師はJRA通算700勝を達成した。戸崎 圭太騎手はこのレース初めての勝利。馬主は金子真人ホールディングス(株)。生産はノーザンファーム。それではレースラップへ。

 

 16日土曜日に4.0ミリの雨。当日も小雨が降るなど、馬場は稍重の状態で行われた。手元の計算では平均して1.3秒ほど時計のかかるコンディション。レースラップを三分割すると、59.3─63.6─63.6のハイペース。上がりは50秒6─38秒0とかなり要した。

 サイモンラムセスは希望通りハナを切れたが、最内枠のロードヴァンドールを交わすまでに結構な足を使わされる。3、4番手にヴォージュ、ステイインシアトルが続き、少し離れて残りの集団。その後、スタンド前に入って流れが落ち着くかと思われたが、1コーナー付近から前の2頭が併走する形となり、再び後続を引き離していく。2周目の向正面に入った頃にはヴォージュ、ステイインシアトルは集団に吸収されて、前2頭と後続集団といった形になる。

 残り1200mの地点からの2ハロンが13秒0─13秒0。この区間でサイモンラムセスは一杯になってズルズルと後退。一方、まだ余力があったロードヴァンドールは貯金を生かして息を入れられたと考えられる。1番人気のシャケトラは残り1000m手前で馬群の外に出して進出を開始し、残り800m地点では集団の先頭に立つ。直線入口ではサイモンラムセスを除く10頭がほぼ一団。そのまま先頭に立ったシャケトラが押し切り、勝ち馬に必死に喰らいついていったカフジプリンスが2位入線。3位には交わされてからも渋太く粘ったロードヴァンドールが入った。

 シャケトラは自分から前を掴まえにいって、最後は5馬身差だから完勝。相手が弱いといった側面もあるが、よほどのメンバー強化がなければ天皇賞春でも期待できるだろう。ただし、京都コースに替わる点はプラスとは言えない。序盤でアドマイヤエイカンを前に置いてからは課題の折り合いがついていたので、距離には十分にメドが立った

 カフジプリンスは同枠のソールインパクトと共に、飛ばしていた前4頭から離れて追走する形。この6枠2頭がポジション的には最も良かったと思う。カフジプリンスは勝負どころで外から勝ち馬に交わされていった後もよく喰らいついていた。さすがは2016年の菊花賞で3番人気(8着)に支持されただけのことはあり、スタミナがある。ソールインパクトは勝負どころで他馬が動いていった時も内で脚が溜まっていたように見えたが、追われて案外だった。

 ロードヴァンドールはあのペースで驚異の粘り腰。ロングスパート戦になりやすいレースだが、向正面~3コーナーにかけて息が入ったのが大きかった。最後1ハロン13秒4のラップでも勝ち馬以外は離されていたように、みんなバテており、結果的に前にいたことが良かった。このあたりは鞍上の手綱捌きの妙もあっただろう。勝ち馬同様、距離は問題ない。

 リッジマンは鉄砲実績もあり、期待されたが、直線は伸びを欠いた。過去3000m以上で②②①着だが、いずれも2000m通過は2分5秒以上のスローペース。速い流れの消耗戦よりも、もう少し落ち着いた流れの方がいいのかもしれない。コルコバードは出遅れて最後方からの競馬。シャケトラが動いた時にまったく反応できなかった。

 あと全体を通して、層が薄い純粋なステイヤー路線よりも中距離路線の方がレベルが高かったということも言えそうだ。

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。