10月14日に東京競馬場で行われた第67回GⅡアイルランドT府中牝馬S(芝1800m・3歳以上・牝馬・別定)は4番人気に支持されたスカーレットカラーが豪快に差し切って優勝。この勝利により、GⅠエリザベス女王杯の優先出走権を獲得した。今年5月に岩田康誠騎手とコンビを組んでOP入りを果たすと、その後も好走を続け、重賞初制覇を成し遂げた。管理するのは栗東・高橋亮調教師。スカーレットカラーは北海道新冠町・㈱ノースヒルズの生産馬。馬主は前田幸治さん。

 

それではレースを振り返っていきましょう。

 

ソウルスターリングは出走取消

 

【展開・ペース】 エイシンティンクルが内のジョディーを制してハナを切り、前半1000m通過は58秒3。テンの3ハロン目以降は11秒台のラップが続く平均ペース。ただし、稍重での1分44秒5という勝ちタイムは良馬場だった昨年よりも速い。逃げ・先行タイプは楽をするところがなく、厳しい展開だったか

 

【レース分析】 スカーレットカラーはクイーンS以来、2カ月半ぶりの実戦。馬体重は前走時より8キロ増えており、体をふっくらと見せていた。3歳春までは馬体重は430〜440キロ台で推移。そこから1年あまり、470キロ台に乗せて本当に逞しくなった。道中は後方2番手を追走。じっくりと脚をためて運び、直線で前が開くと弾けるように伸びた。ここにきて末脚に磨きもかかってきた印象だ

 

スカーレットカラーの4代血統表

 

 「ペースが速かったので前半は無理せずに、この馬のリズムを考えて乗りました。後方2番手からになりましたが、じっくりと構えて直線勝負と思っていたし、いつでもいける手応えでしたよ。前走は短い直線に向いてから追い出す形になった分、まだ脚が残っていたし、悔しい負け方だったんです。今年に入って馬の中身が詰まって良くなってきたし、力をつけています。距離は延びても問題ないので、GⅠでもいいパフォーマンスを見せてくれるはずです」岩田康誠騎手もパートナーの成長を褒め称えると同時に大一番でもいい走りができる手応えを感じた様子。GⅠでも軽視できない存在だ。

 

 

 ②着のフロンテアクイーンもクイーンS以来の実戦だったが、こちらはマイナス6キロと馬体が絞れて好仕上がり。ラッキーライラックをマークしながら進み、直線に向いてからは渋太く脚を伸ばしてきたが、勝ち馬の決め手が上だった。昨年の当レース③着時よりも速いタイムで走破。衰え云々はまったく感じさせなかった。今日に関してはスカーレットカラーを褒めるべきだろう。

 ラッキーライラックは体に太め感がなく、16キロの馬体増は成長分。正攻法のレース運びから一旦は抜け出しているように中身の濃い③着。敗れはしたが、改めて牝馬同士であれば地力上位であることを証明した。本命に推したクロコスミアは、6歳という年齢だけに大幅な上がり目はないが、状態面に変動がなく、気配は良く映った。スタート後は3番手につけて勝負どころでジワッと2番手へ進出。直線はラッキーライラックが早めに競り込んでくる形になったが、渋太く食い下がった。今回は少し展開が厳しかった点は否めない。

 

 

                                 text by 京増 真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 

 
 
研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
研究ニュースネット新聞ご購入はコチラをクリック!
 
 

 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かチラをクリック!
 
記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止