2019年 7月21日(日) 3回中京8日

 今開催の芝はBコースに替わった5日目以降、とにかく先行馬と内を通った馬が有利。それは8日目になっても大きくは変わらず、2つ前のレースで同じ芝1600mだった長久手特別でも③着馬を除くと、先行馬と4角で内目を通った馬が掲示板を賑わせました。

 そんななかで行われた今年の中京記念。勝ったグルーヴィットと②着クリノガウディーの2頭は、中団から4角で真ん中や外を通って差してきました。馬場発表こそ前日の重からやや重に回復していましたが、日曜日の方が芝の塊が多く跳ね上げられて馬場が荒れてきたこと。ツーエムマイスターが作ったペースが淀みなく、最後の1ハロンが12秒3もかかったこと。更に上記の2頭は3歳馬でハンデが軽量52キロだったことなど、あらゆる要素が絡みあったことで、それまでの傾向に反する結果となったように思われます。

 3番人気のグルーヴィットは前半から楽な追走には見えず、4角では外に張ってもいましたが、渋太く末脚を伸ばして最後は競り勝ち。ダートで2勝しているように、この日の力のいる馬場は合っていたようです。2戦目以降はすべて左回り。今後は右回りや高速馬場でどれだけ走れるかですが、たった5戦目で古馬相手に重賞制覇。将来が楽しみです。

 クリノガウディーは勝ち馬とは対照的に道中は行きたがるくらいで、勝負どころの手応えも十分。その通りの伸びを見せて、ハナ差まで迫りました。昨年の朝日杯FSではグランアレグリアに先着しての②着。今年は3戦して結果が出ませんでしたが、今回の好走がいいキッカケとなりそうです。

 ③着は1番人気のプリモシーン。トラックバイアスなどの馬場傾向を読み、すぐに実行するタイプの福永騎手らしく、この馬としては前の位置を取って早目の進出。最後に差されてしまいましたが、それは結果論で鞍上の意図がよく伝わるレースぶりでした。展開や斤量差を考慮すれば、この負けを悲観する必要はないでしょう。

 ④着ミエノサクシードの川島信二騎手も15番枠からすぐにラチ沿いに入れる馬場傾向を考えた乗り方。4角まではうまくいっていましたが、直線では前が壁になって満足に追えたのは残り1ハロンを切ってから。いい脚は一瞬のタイプですが、さすがに今回は脚を余したと思われます。

 ⑤着グランドボヌールは1番枠でもハナにはこだわらず2番手から。これが結果的には好判断で、直線に入るといい手応えで先頭に立って見せ場十分。今後も左回りでは注意が必要です。

 2番人気のカテドラルは⑧着。①②着馬は前走のNHKマイルCで⑩、⑭着。そこで③着だったこの馬は期待に応えられず。クリノガウディーの直後からいつもより早目に手が動き、この馬らしい決め手も見られませんでした。川田騎手の「凄くトビのいい馬ですが、逆にこの馬場だと終始、進んでいかない感じでした」とコメント。綺麗な馬場で見直してみたいです。

text by 石井大

 

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