第67回GⅡ日経賞は単勝3番人気に支持されたメイショウテッコンが鮮やかに逃げ切り勝ちを収めた。この結果、4月28日に行われるGⅠ天皇賞(春)の優先出走権を獲得。鞍上の武豊騎手にとっては50歳となって初めての重賞勝利に。管理するのは高橋義忠師。メイショウテッコンは北海道新ひだか町・下屋敷牧場の生産馬。馬主は松本好雄さん。

 

それではレースを振り返りましょう。

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【展開・ペース】スタート後、軽く促してメイショウテッコンが主導権を握る。12秒台中盤のラップを刻みながらホームストレッチから1、2コーナーを通過する。向正面に到達したところで少し流れは緩んだが、残り1000m地点でエタリオウがマクり気味に動いたことで再びペースUP。前半の貯金があったとはいえ、メイショウテッコンは後続の追い上げに対応し、危なげなく押し切った。

 

 

【レース分析】メイショウテッコン昨夏のGⅢラジオNIKKEI賞こそ3番手から抜け出したが、残る3勝中2勝を逃げ切って挙げている。前走のGⅡ日経新春杯では出遅れて後方を進むもハミを噛むシーンがあった。現状はリラックスして運べる積極策が最も力を出せる形なのだろう。

パドックではうるさい仕草を見せたが、これは許容範囲内。追い切りではCWコースで6ハロン80秒を切る時計をマークし、直前は坂路で好タイム。状態は大敗した前走よりもグンと良くなっていたのも勝因のひとつだろう。道中でエタリオウが動いてきたが、13秒1→11秒9とスッと加速して対応。3コーナーではライバルに馬体を併せられたが、直線に向くと逆に突き放し、最後は1と1/4馬身差をつけた。

「ゲートの中で暴れてスタートが安定しなかった馬が厩舎サイドで練習をしてくれたおかげでしっかり出ることができた。1番枠なので五分に出ればハナを切ろうと思っていた。途中でエタリオウが来たので、合わせる感じでペースを上げていったが、終始手応えが良くて最後までしっかり脚を使えた。間違いなく良くなっている」武豊騎手。優先出走権を獲得したGⅠ天皇賞(春)は一気に距離が延びるが、気負わずに逃げることができれば好レースになっていい。

 

メイショウテッコンの4代血統表

 

 エタリオウはこれが4度目となる重賞②着。レース序盤は少し行きたがったが、1、2コーナーを回ってからは折り合って追走。残り1000m地点で一気にポジションを上げてメイショウテッコンに並びかける。結果的にひと押しが利かずに敗れてしまったが、長く脚を使っており、悲観する内容ではないだろう。昨秋のGⅠ菊花賞以来の実戦だった分、叩いての上積みも見込める。

 サクラアンプルールは中団の内でロスなく追走。メイショウテッコンが4コーナーで馬場の悪い内ラチ沿いを避けて回ると、1頭分、空いたスペースを突く。前の2頭に迫ることはできなかったが、この馬らしい器用さを存分に生かしての好走。約2年ぶりにコンビを組んだ横山典弘騎手の進路取りのうまさも光った。2番人気だったルックトゥワイスは勝負どころで仕掛けるも反応が鈍い。レース後、鞍上は「ノメッていた」とコメントしており、雨馬場が合わなかったか。この1戦だけで評価を下げるのは危険。次走以降の巻き返しに注意したい。

 

                                 text by 藤原

 

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