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第60回 宝塚記念 回顧

 

2019年6月23日(日) 3回阪神8日

 この開催は全体に時計がかかっていたが、土曜日9R芝1400mで1分20秒9、11R芝1800mで1分45秒1とペースによっては速い時計が出ていた。最終レース後に強い雨が降ったとのことで、日曜日は馬場状態が心配されたが、芝・ダート共に良馬場でスタート。数字的に見ても影響は軽微で、今開催の中では速めの時計が出る馬場状態。ペースにもよるが、内回りは特に内、前有利の印象を受けた。

 

 予想通り、キセキがハナを切って、レースは前半35.5 ─ 中盤60.0 ─ 後半35.3。注目すべきは中盤の60.0で、これは過去10年で最も速い数字。ペースを緩めず、後続に脚を使わせるキセキらしいラップメイク。その流れを2番手で追走して、3馬身差勝ちのリスグラシューは掛け値なしに強い。2歳~3歳時はG1であと一歩涙を呑んだが、初タイトルを獲得した昨年のエリザベス女王杯時が馬体重462㎏。デビュー時の432㎏から30㎏の増量でパワーアップしていた。この日は460㎏。素質だけで好走していた馬が、力をつけて完成する過程を十分に楽しませてくれた。また、レーン騎手の手腕も見事。前日には東京で5勝の固め打ち。序盤は外枠からスタートして何度も内の状況を見ながら慎重にレースを進めていた。前に馬がいないので折り合いが心配されたが、うまく2番手に収まった時点である程度の結果は予想できたというもの。テン乗りでこのレースができるのはさすが。この日でJRAでの騎乗は一旦見納め。

 キセキは心配された通り、スタートがあまり速くなかったが、他に同型がいなかったのも幸い。押して押して何とかハナ。ただ、行き切ってからはこの馬らしい走りだった。父ルーラーシップは出遅れて最期のレースを飾れなかったが、この馬もスタートがズブくなっている。個人的には、この馬がいることによってレースレベルが担保されている面があると思っており、隠れた功労馬。菊花賞以来惜しいレースが続いているが、何とかまたタイトルを獲らせてあげたい。

 今日の馬場を考えると、スワーヴリチャードがあの位置で運んだのは正解。外枠から、ある程度の位置で折り合いをつけたM.デムーロ騎手もうまく乗っていると思う。直線は内に行きそうになるのを矯正されながらジワジワ伸びていた。アルアインは皐月賞、大阪杯など勝ち星は2000mまで。2200mもこなせない距離ではないが、極限の戦いになると一歩甘くなるのだろう。レイデオロはこのところテンションの高さが気になる。追い出しての反応も悪く、今ひとつレースに集中できていない感じだった。エタリオウは横山典弘騎手の騎乗が決まった時点でひょっとすると思い切ったレースがあるかもと期待していたが、鞍上によると「馬が進んで行かなかった」とのこと。これまではスローな競馬が多かったし、緩みのない流れは忙しい感じ。今日の馬場で外を回って追い込む形は厳しかった。

text by 小林  

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。