2021年1月17日(日) 1回中京6日

 1月17日に中京競馬場で行われた日経新春杯(GⅡ)は7番人気のショウリュウイクゾが勝利。騎乗した2年目の団野大成騎手は17度目の挑戦でJRA重賞を初勝利。管理する佐々木晶三調教師は2005年のサクラセンチュリー以来、このレース2勝目となりました。

 勝ったショウリュウイクゾは軽く仕掛けるとサッと3番手の外を確保。4角手前では手応え劣勢かと思われましたが、直線に向いて坂を上がるとひと脚使って先頭に立ち、②着馬の追撃を封じてゴール。昨年の春までは阪神での新馬勝ちを除くと直線が平坦のコースに良績が偏っていましたが、ここ3走は中京で②⑧①着。前々走は2000㍍が短かった印象。力をつけて直線の坂を克服しました。53㌔のハンデも効いていたのでしょう。

 馬単で108,870円という波乱の立役者となったミスマンマミーアはいつもの後方待機策から最後に大外へ出すシンプルな乗り方。大トビで長く脚を使うこの馬にとっては、ブレーキを掛ける心配がないこの形は理想的で、レース上がりを1秒も上回る3F34秒7をマーク。最後で勝ち馬に迫ったのはこの馬だけでした。結果的に昨年5月の烏丸ステークス(2400㍍)の①②着が反対になっただけ。今回と距離、コースは違いますが、残り1000㍍付近から砂埃の舞う量がかなり多く、タフな馬場状態だったことがその要因のひとつと思われます。

 クラージュゲリエサンレイポケットは好位で勝ち馬や人気上位馬を見る位置。クラージュゲリエの方は早めに動いた勝ち馬について行けましたが、最後は突き放される格好に。サンレイポケットは内めにいたことで直線まで動けず仕掛け遅れる形に。外に出てからは差を詰めましたが、クラージュゲリエから半馬身差まででした。

 サトノソルタスは中団の内から。勝負どころはサンレイポケットの後ろにいたのでこの馬も仕掛けを待たされることに。更に直線も内にいたので下がってきた馬に詰まり、まともに追えたのは200㍍前後。池添騎手も「もったいなかったですね」と言うように脚を余してしまいました。昨年の金鯱賞②着はありますが、中京ではツキのないレースが多いです。

 1番人気アドマイヤビルゴは⑩着、2番人気ヴェロックスは⑨着とともに惨敗。アドマイヤビルゴに関しては430㌔前後のこの馬に、今の荒れた馬場が応えたという想像はつきますが、ヴェロックスに明確な敗因が見当たりません。クラシックすべてで好走したとはいえ、しのぎを削った相手で4歳以降、2000㍍以上のGIで③着以内に入ったのはダノンキングリーの大阪杯③着のみ。同じ5歳のショウリュウイクゾが勝っているので世代間のレベルというより、クラシック好走馬の成長力に疑問符がつく結果となりました。

 

text by 石井大輔

 

 

 

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