6月30日に福島競馬場で行われた第68回GⅢラジオNIKKEI賞(芝1800m・3歳・ハンデ)は単勝3番人気に支持されたブレイキングドーンが優勝。勝負どころで外目を通って進出すると勢い良く先行勢を捉えた抜け出した。騎乗したのは初めてコンビを組んだ田辺裕信騎手。福島県出身の田辺騎手にとってはラジオNIKKEI賞制覇は今回が初めて。管理する中竹和也調教師はこの勝利でJRA全10場での重賞勝利という偉業を達成した。ブレイキングドーンは北海道浦河町の高昭牧場の生産馬。馬主は前田幸貴さん。

 

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

 

 

【展開・ペース】 内から先手を主張したのはダディーズマインド。外枠に入ったランスオブプラーナがハナにこだわらずに控えてくれたことで競り合いはなく、前半1000m通過は61秒0の平均ペース。舞台が小回りの福島でこのぐらいの流れだと何かがマクり気味に進出するのだが、折からの雨の影響により不良馬場となったことで後続勢は仕掛けづらかったか。

 

【レース分析】 土曜日の夕方から雨が本降りになり、不良馬場で行われた今年のラジオNIKKEI賞。3歳限定戦で唯一のハンデ戦。1番人気のヒシイグアスですら単勝5倍台。オッズの数字だけを見ても混戦だったことがよく分かる。

 ブレイキングドーンはパドックでうるさくて、出演させていただいたラジオNIKKEIのパドック解説では評価を下げたが、もともとテンションが上がりやすいタイプ。それほど割り引く必要はなかったか。レース序盤は後方に待機。外枠だった分、いつでも動けるポジションに陣取れたことが勝因のひとつ。3コーナー手前からロングスパートをかけ、直線は力強く抜け出して快勝した。初コンビとなった田辺騎手だったが、仕掛けのタイミングはバッチリだった。弥生賞での③着で道悪適性の高さは証明済み。性能が高いのは勿論だが、今日に関しては鞍上の好騎乗に加え、馬場状態も味方した。

 

ブレイキングドーンの4代血統表

 

 騎乗した田辺裕信騎手は「乗るのは初めてでしたが、何度か一緒のレースで別の馬に乗っていましたし、いろいろと考えていました。馬場の悪いところに押し込められるのは嫌だったので、外枠を引けたことは良かったです。直線に向くまで余力がありましたし、後ろから差される感じもありませんでした。これまでも強い相手に善戦していたので、力があることは分かっていましたからね。結果を出せて良かったです。賞金加算ができて大きいところに出られるチャンスも出てきました。この先も頑張ってくれると思います」とコメント。

 

 

 紙面上で本命に推したマイネルサーパスは内枠を生かして好位のイン。逃げ馬の直後のポケットに収まり、内でロスなく立ち回れたし、直線半ばでは一旦先頭に立つシーン。結果的に外を勢い良く上がって行けた勝ち馬の決め手に屈した形だが、日本ダービーから距離を縮めて、変わり身を見せてくれた。ムチに反応してヨレたりしていた2歳時よりも気性面が成長し、集中力が出てきた。それに今季3戦目でいい状態にあった。

 ゴータイミングはシンガリ追走から終い勝負に徹し、メンバー最速の上がりをマークして③着に好走。ディープインパクトの産駒だが、重馬場だった新馬戦を勝ち上がっているように道悪は苦にしないタイプ。武豊騎手は福島競馬に参戦し、存在感は示した

 

                                 text by 京増真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 

 
 
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