8月2日に札幌競馬場で行われた第68回GⅢクイーンS(芝1800m・3歳以上・牝馬限定・別定・晴れ・良馬場)はレッドアネモス(単勝11番人気)が馬群を割って抜け出し、優勝。8度目の挑戦で嬉しい重賞初勝利を挙げた。鞍上は今回、初めてコンビを組んだ吉田隼人騎手。管理するのは栗東・友道康夫調教師レッドアネモスは北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は㈱東京ホースレーシング。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 ナルハヤが好ダッシュからハナに立つと同型の馬たちが無理には競り込まず、序盤の主導権争いは戦前の見立てほど激しくはなりませんでしたが、2~4ハロン目に11秒2~5のラップが続き、結局は緩みのない流れ。勝負どころで外から動く馬もいて、4コーナーでは馬群が凝縮。ここからスムーズに前を捌けるかが、勝負の明暗を分ける結果となりました

 

 

好調な鞍上に導かれて重賞V

【レース分析】 勝ったレッドアネモスは11番人気と低評価でしたが、近走は苦手な道悪や不完全燃焼の内容が続いており、良馬場でスムーズなレースができれば、重賞でも勝負になることはGⅢ福島牝馬Sの回顧で述べておきました。

「枠が良かったですし、軽い走りをする馬なので、良馬場なら洋芝も問題ありませんでした。他馬を気にするところがありますが、直線で外めに出すと前も開きましたからね。うまくいきましたが、能力がなければあそこから伸びませんから」と殊勲の吉田隼人騎手吉田隼人騎手はこれでGⅢ函館記念に続き、北海道シリーズの重賞を連勝。勿論、最大の勝因は直線入り口で進路取りがスムーズだったことですが、今後も良馬場の中距離なら、牡馬相手の重賞に替わっても注意が必要でしょう。

 

レッドアネモスの4代血統表

 

地力上位を示した②、③着馬

 ②着のビーチサンバ(4番人気)は4コーナーで前に入られた④着馬と進路が重なるようになって追い出しが遅れ、また1番人気で③着のスカーレットカラーも内で前が詰まってスムーズさを欠き、最後は馬群を捌きながら猛然と追い込む不完全燃焼の内容。この2頭は牝馬同士のGⅢなら地力上位であることを改めて示しました。次走以降、巻き返しは必至でしょう。

 

 

 2番人気で⑥着に終わったフェアリーポルカはスムーズな競馬ができたクチですが、伸び切れなかったのは初めて背負った56キロが影響したのでしょうか。それでも、着差は0秒2ですし、牝馬にしては馬格がある方なので、斤量にも慣れていけば、克服は可能でしょう。また、自分が◎にして当日版の欄外推奨馬に挙げたリープフラウミルヒ(6番人気)は、想定していたより少し位置取りが後ろになり、勝負どころからもずっと前に馬がいる厳しい形。0秒3差⑦着で上位6頭はすべて紙面でシルシをつけて、3連複の相手に買っていたので悶絶しましたが、条件さえ揃えば重賞でも狙えるという考えに変わりはないので、どこかでリベンジしたいと思っています。

 

 

                                 text by 五十嵐 友二

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・①~③着馬はいずれも前走で重賞競走に出走していた。

〇馬齢・・・4歳→4歳→5歳で決着。②③着馬は前走がGⅠレースだから着順不問で狙えたが、勝ち馬は4歳ながら前走がGⅢで⑧着。結論で②着馬は軸としていただけに非常に悔しい結果となってしまった。来年以降、4歳馬に関しては前走が重賞競走であれば着順を問わず、買い目に加えるようにしたい。

 

 


 
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