7月7日に福島競馬場で行われた第55回GⅢ七夕賞(芝2000m・3歳以上・ハンデ)は単勝3番人気に支持されたミッキースワローが優勝。直線に向くと力強く抜け出し、サマー2000シリーズ開幕戦を制した。菊沢一樹騎手は、父である菊沢隆徳調教師の管理馬に騎乗してこれが待望の重賞初勝利。ミッキースワローは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は野田みづきさん。

 

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

 

 

【展開・ペース】 2回福島開催の開幕週は雨の中でレースが行われた。その影響か先週の芝コースは馬場の内目に傷みが目立ち、日曜は稍重発表と水分を含んでタフなコンディション。タニノフランケルブラックスピネルなど逃げ馬はいたが、マルターズアポジーが先手を譲らず、前半1000m通過は58秒0のハイペース。レースの上がり3ハロン37秒5という数字が示す通り、消耗戦となった

 

【レース分析】 ミッキースワローはパドック、本馬場入場時と動きに柔らかさがあって気力も旺盛。エプソムカップを凡走した後でも、状態は良かった。折り合いが肝要なミッキースワローにとっては、ハイペースで推移した展開も御誂え向き。馬の能力を信じ、スムーズな競馬を心掛けた菊沢一樹騎手の判断が正しく、勢い良く直線の入り口で先頭に躍り出た時点で勝負あった。

 

ミッキースワロー4代血統表

 

 「馬の雰囲気が凄く良くて、思っていたより気分良く走れていました。それでいつもより前目のポジションになりましたが、手応えが良かったので押し切れる自信がありました。福島コースの直線がこんなに長く感じたのは初めてです。まだフワフワしていて現実なのか夢なのか分からない感じですが、勝てて本当に良かったです。もともと上のクラスで走っていたし、また一緒に大きいところを目指していけるように頑張りたいです。馬を育ててくれた横山典弘さんや、アドバイスをくれた先輩方に感謝しています」菊沢騎手。自身が手綱を取ったレースで初勝利、2勝目を挙げたミッキースワローにこれが約2年ぶりに騎乗。パートナーと最高の結果を出せたのはジョッキーとして成長した証とも言える。

 

 

 クレッシェンドラヴは前走から馬体重はプラス8キロ。いくらか体は立派に映ったが、休養させた効果で心身ともにフレッシュな状態。林徹厩舎に転厩してからはルーティーン(2回使って休養)が確立してきた印象だ。レースはミッキースワローをマークするようなポジションで運び、スムーズに外目を進出。直線に向いてからジワジワ伸びて勝ち馬に迫った。ハンデ差などを考慮すると今日に関しては相手が一枚上だったか。

 離れた③着争いを制したのはロードヴァンドール。天皇賞・春の疲れが癒えて活気があったし、歩様もスムーズで立て直した効果は十分。逃げ、先行勢に厳しい展開の中で粘り込んだ内容は評価できる。長丁場を走った後だけに今回は序盤、流れに乗せるのに苦労していたが、次もサマー2000シリーズを使えば、チャンスはありそう。

 本命に推したクリノヤマトノオーは大外枠から内に潜り込んでソツなく乗っているが、重賞+タフな馬場の消耗戦だと2000mは長いのかもしれない。直線では脚を使うことができなかった。人気を裏切る形になったのがロシュフォール。小回りコースに稍重の馬場。この馬にとっては不向きな状況が重なって、力を発揮することができなかった。

 

 

                                 text by 京増真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 

 
 
研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
研究ニュースネット新聞ご購入はコチラをクリック!
 
 

 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かチラをクリック!
 
記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止