11月2日に東京競馬場で行われた第55回GⅡ京王杯2歳S(芝1400m・2歳・馬齢重量)は単勝2.1倍と圧倒的な支持を集めたタイセイビジョンが鮮やかに差し切って優勝。勝ちタイムは東京芝1400mの2歳コースレコード。鞍上はC.ルメール騎手。管理するのは栗東・西村真幸調教師。タイセイビジョンは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は田中成奉さん。

 

それでは、京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

 

 

【展開・ペース】 スタートを決めたビアンフェアポロニケを制してハナを奪う。前半3ハロン通過は34秒9。遅めの平均ペース。

【レース分析】 勝ったのはタイセイビジョン。パドックで抜群の気合乗り。今にして思えば、前走のGⅢ函館2歳は、函館への長距離輸送を挟んでいてデキが今ひとつだったのかもしれない。テンションは高めだったが、馬場に他馬より先出ししたことで我慢できていた。スタートを出たなりで流れに乗り、道中は折り合いに専念。なだめるのに苦労するほどの行きっぷりだったが、鞍上はC.ルメール騎手だから、しっかりと脚が脚がたまっていた。直線は弾けるように突き抜けて2馬身差をつけて圧勝。絶好の馬場コンディションだっただけにこのコースレコードは鵜呑みにできないが、それにしても強い勝ちっぷりだった。

 

タイセイビジョンの4代血統表

 

 「スタートがとても良かったです。引っ掛かってコントロールの難しい場面はありましたが、3~4コーナーではリラックスして走れていました。最後もいい脚でしたね。リラックスして走れればマイルも問題ないと思います」C.ルメール騎手。鞍上も確かな手応えを掴んだ様子。次走はまだ未定だが、来月のGⅠ朝日杯FSに出走してくれば有力候補となるのは間違いない。

 紙面上で本命にしたビアンフェは、マイペースの逃げを打ち、絶好の展開に持ち込めた。しかし、今回に関しては成長分はあっても、さすがに太かった。函館から東京芝1400mという舞台に替わって、タイセイビジョンに逆転を許した形だが、コースレコードが飛び出す中で②着。③着は2馬身離したのだから面目は保った。姉のブランボヌール同様、スピードに秀でたスプリンター。血統背景からは決して早熟ではないだろうから、この先も活躍が期待できる。

 

 

 ③着のヴァルナは、マイナス16キロと馬体が絞れ、状態の方も上昇。直線は内に切れ込むように進路を取り、ジワジワと伸びていたし、重賞でこれだけ走れれば合格点を与えられる。2番人気に支持されたマイネルグリットは仕上がりこそ良かったものの、直線ではまったく伸びなかったね。好位のインに収まり、展開も向いただけに、これは負け過ぎ。騎乗した国分優作騎手は「折り合いもギリギリ我慢できました。それなのにどうしてなのか、思ったほど伸びなかったですね。レコードの出るような速い馬場が合わないのでしょうか。原因が分からないですが、今日の感じであれば距離は延びても我慢できそうです。これが次につながってくれれば」とコメント。馬場、距離が合わなかったのか、やや成長力に欠けるのか・・・。現時点では判断しづらい。

 

 

 

                                 text by 京増 真臣

 

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