競馬 研究ニュース

第55回 函館記念回顧

 

 7月14日に函館競馬場で行われた第55回GⅢ函館記念(芝2000m・3歳以上・ハンデ)は単勝1番人気に支持されたマイスタイルが優勝。最後は迫る②着馬に競り勝ち、サマー2000シリーズ2戦目を制した。田中勝春騎手にとってこれが節目のJRA重賞50勝目となった。管理するのは栗東の昆貢調教師。マイスタイルは北海道新ひだか町・猪野毛牧場の生産馬。馬主は寺田千代乃さん。

 

それではレースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 好枠からマイスタイルが先手を主張すると他馬はあまり行く気を見せず、少し離れた2番手にマイネルファンロンがつけて前半1000m通過は59秒8。後半も59秒8ですから計ったような平均ペースで、その割には道中は馬群が縦長。先行タイプは揉まれたり、擦られたりすることもなく、能力を発揮できる展開となりました

 

【レース分析】 勝ったマイスタイルはブリンカー着用2戦目で、先手を主張してマイペースに持ち込んだことが最大の勝因でしょうが、2キロハンデが軽い②着馬に直線入り口で並びかけながら、最後に振り切ったのは地力があればこそ。放牧明けを叩いて馬体が絞れ、状態も上がっていたようです。

 

マイスタイルの4代血統表

 

 「前走を使ったことで雰囲気も良く、スタートがいいので、絡んでくる馬がいなければ、楽に行けるかと思っていました。いつもこのくらいのペースで行っても粘ってくれますからね。思い入れが強い馬なので、やっと結果を出すことができて良かったです」田中勝春騎手。マイルの距離や控える競馬でも好走していますが、中距離で自分のペースを刻んで逃げる形の方が信頼度を増す印象を改めて受けました。

 

 

 ②着マイネルファンロン(⑨人気)は調教VTRで確認した動きの良さから、個人予想では△をつけていましたが、鞍上の積極的な運びも功を奏して健闘。昨年のGⅡスプリングS③着馬ですから、能力面の裏づけにも不足はありませんでした。③着のステイフーリッシュ(③人気)は57・5キロのハンデがどうかと思われましたが、最後まで渋太く伸びて馬券圏内を確保。GⅢでは地力上位ですし、このレースでも②③着になった4歳世代の勢い、レベルの高さも感じました。

 2番人気で⑥着だったレッドローゼスも道中は内で運び、直線で中に出すスムーズなレースはできていましたが、追っての反応、伸びが案外。パワーも必要な洋芝だと2000mは少し長いのかもしれません。

 自分が◎に期待したゴールドギアは攻め気配が良く、道悪になった際は適性も高いと見て、馬券も購入しましたが、道中で外を追い上げて見せ場を作った割に直線では伸びず。まだGⅢでは力不足の感じでしたが、こちらも本質的には2000mは少し長い印象も。自己条件(3勝クラス)の1600~1800mで見直したいところ。ただ、そこだと人気ですかね

 

 

                                 text by 五十嵐 友二

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 

 
 
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