11月10日に福島競馬場で行われた第55回GⅢ福島記念(芝2000m・3歳以上・ハンデ)は単勝1番人気に支持されたクレッシェンドラヴが外を通って抜け出し、優勝。昨年9月からコンビを組み続けている内田博幸騎手にとってこれが記念すべきJRA重賞50勝目。また管理する美浦・林徹調教師は開業以来、初めての重賞制覇となった。クレッシェンドラヴは北海道新ひだか町・木村秀則さんの生産馬。馬主は広尾レース㈱。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 大方の予想通り主導権を握ったのはリリックドラマ。後続も直後につけ、スタートしてからの2~3ハロン目には11秒3-11秒5のラップが刻まれ、その後も遅い区間で12秒3と終始、緩みのない流れ。ハンデGⅢでも展開の紛れが生じにくい消耗戦となりました。

【レース分析】 紙面で◎に指名して期待に応えてくれたクレッシェンドラヴ(1番人気)は、互角のスタートから中団の外に位置して、スムーズにレースの流れに乗り、道中はいつでも動けそうな態勢。結果的に②着馬を見ながらスパートする形になり、直線でも手応え通りに伸びて抜け出しました

 

クレッシェンドラヴの4代血統表

 

 「馬に落ち着きが出て、乗る毎に良くなっていますし、いいレース内容で勝つことができました。外を回り過ぎるのもどうかと思いましたが、今日の福島は差してこられる馬場だったので、あまり考えずに馬の力を出すことに専念しました。直線も自分の叱咤に応えて、しっかり伸びてくれました」内田博幸騎手がレース後にコメント。当日の馬場状態も把握したベテランの好騎乗が光りましたが、前走のGⅡオールカマーが少し消化不良の内容だったので、しっかり結果を出せてホッとした面もあったのでは。ちなみに林徹厩舎の担当TМに「前2走で先着されたミッキースワローより仕掛けが遅いようでは駄目と言っていました」という話も事前に聞いていたので、研究ニュース当日版16面の今日の狙いにも取り上げていました。

 

 

 ②着ステイフーリッシュ(6番人気)はこの馬らしい渋太い走りを見せて連対を確保。勝ち馬より2.5キロ重い斤量を背負っていましたし、GⅢでは地力上位を確認できました。リフレッシュ放牧明けでしたが、中間に2週続けて坂路51秒台出ていたことが仕上がりの良さも示していましたね。③着のミッキースワロー(2番人気)は更に1キロ重いトップハンデで②着とクビ差ですから、こちらも内容的には上々。以前よりも安定感を増していますし、今ならGⅠのステージに戻ったとしても、善戦以上があるかも知れませんね。

 ④着ウインイクシード(12番人気)は前走勝ちが58キロだったとはいえ、昇級戦がGⅢで54キロのハンデは微妙と見て印をつけませんでしたが、厳しい流れの中で、正攻法に近い競馬をして0秒4差ですから中身は濃く、次走の狙い目になりそうです。⑤着のレッドローゼス(3番人気)も待機策は正解の展開でしたが、少し位置取りが後ろ過ぎた感じ。上がりは最速でしたから、立ち回りや仕掛け次第では、重賞でも上位争いが期待できると考えられます。

 

 

                                 text by 五十嵐 友二

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 

 
 
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