7月28日に新潟競馬場で行われた第19回GⅢアイビスサマーダッシュ(芝・直線1000m・3歳以上・別定)は単勝1番人気に支持されたライオンボスが優勝。サマースプリントシリーズ第3戦を制し、初挑戦での重賞初制覇を決めた。主戦の鮫島克駿騎手が落馬負傷のため、手綱を取ったのは田辺裕信騎手。管理するのは美浦・和田正一郎調教師。ライオンボスは北海道新冠町・対馬正さんの生産馬。馬主は(有)和田牧場。

 

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

 

 

【展開・ペース】 スタートを決めたライオンボスがダッシュを利かせて外ラチの方へ進路を取る。ハナを切る勢いで飛ばすが、横並びの隊列の内からカッパツハッチ、中からはレジーナフォルテがスルスルと前へ。3頭が横並びになるような形でレースが進行。前半2ハロン22秒1は例年と比較すると少し遅く、全体時計も55秒1と地味だが、これは前日の夜から雨が降った影響があったか。

 

【レース分析】 当日は良馬場発表だったが、展開の項でも記したように、前日の夜から降雨があり、その分、いくらか時計がかかった印象。ホームストレッチは向かい風が吹いていたが、4階の記者席ではそこまで強く吹き荒れているようには感じられなかった。勝ちタイムは速くないものの、ライオンボスは正攻法からの押し切り。この点は評価していいだろう。

ライオンボスは前走の韋駄天S当時より馬体が引き締まって見えた。ひと息入っての出走だったが、力は出せる仕上がり状態。スタートはマズマズの出だったが、二の脚が抜群に速く、すぐに外へ。ライバルのマークが厳しい1番人気での押し切り勝ちは力があればこそ可能となる芸当。

 

ライオンボスの4代血統表

 

 「昨日、声をかけてもらってから過去のレースを見たり、厩舎サイドと話し合って乗り方を考えました。イメージ通りの競馬ができて良かったです。実際、人気を背負っての先行策だと負かしにくる馬もいて楽ではないと思っていましたが、しっかりと勝ち切ってくれました。適性を含めて強かったですね」と急きょの乗り替わりで手綱を取った田辺裕信騎手。パートナーを褒め称えたが、テン乗りながらスタートを決め、スムーズに外へ誘導したあたりは好プレーが光った。ライオンボス自身は韋駄天Sから3キロ斤量が増えており、決して楽な戦いではなかったが、直線競馬にシフトしてから3連勝を達成。ワンターンの1200m戦でどれだけやれるかは未知数だが、直線競馬のスペシャリストとしてこのカテゴリーで長期政権を築きそうだ。

 

 

 カッパツハッチは、テンションの上がりやすいタイプ。しかし、当日は落ち着きがあったのが好走の要因だろう。前走の韋駄天Sで見せたスピードも本物だった。外枠有利な直線競馬で3番枠からの②着確保は立派。勝ち馬とは枠順の差もあり中身の濃いレースだった。

 ③着オールポッシブル、④着トウショウピストはパドックではそれほど気配や動きは目立たなかった。それでも、好走できたのは前者が16番、後者が13番と枠順が良かった恩恵があった点は否めず、また適度に時計がかかった点もプラスに働いたのだろう。

 

 

                                 text by 京増真臣

 

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