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第20回 チャンピオンズC 回顧

 

 

2019年12月1日(日) 4回中京2日

 序盤の入りはスロー。ただ、向正面に入ってからペースが上がって淀みのない流れ。1000m通過60秒8は、2015年の60秒2、2016年の60秒6よりは遅いが、その2年はラスト3ハロンが37秒台後半と上がりを要した。それに対して今年の上がりは35秒7。瞬発力を問われた上に走破時計も速く、ハイレベルな一戦。勝ったクリソベリルは6戦無敗でJRA・G1制覇を成し遂げたし、2着には一昨年の覇者ゴールドドリーム。3着インティは今年のフェブラリーS優勝馬で、4着が先日のJBCクラシックを制したチュウワウィザード。上位に名を連ねた顔ぶれからも紛れのない地力勝負だったことが窺える。

 クリソベリルは1コーナーまでのポジション取りでチュウワウィザードの前を取れたことが大きかった。あとは前を行くインティを目標にレースを進めて、直線では古馬一線級を相手に叩き合いを制す。これまで外から上がっていく競馬ばかりだったが、今日は好位のインで脚を溜める競馬。この馬のセンスを再認識させられた。懸念されたスピード競馬にも難なく対応し、怪物ぶりをアピール。充実した馬体でプラス11㎏は成長分といえよう。

 ゴールドドリームはうまく立ち回っていたと思う。今回はイレ込みも問題なし。直線で一旦は勝ち馬の脚勢を上回ったが、そこからもうひと伸びした相手を誉めるべきだろう。これでG1・G1級で10戦続けて馬券に絡んでいるように安定感は抜群。

 個人的に注目していたのはインティ。枠順発表時点で同型が外、自身は内とこれは好枠に入ったな、と。鞍上も主戦の武豊騎手に戻り、序盤スロー、向正面でペースを上げて後ろを封じ、脚を残したままラスト2ハロン目に11秒6と突き放しにかかる。並のG1級が相手なら勝っていたであろう内容。ただ、それを上回る馬が2頭いたということ。自分のリズムで走れると本当に強い。

 チュウワウィザードはスタートは五分以上でも、出足が今ひとつ。本来なら勝ち馬のポジションが欲しかった。道中は勝ち馬の後ろでロスなく立ち回って、直線もインを突きたかったが、前が開かなかったのでラスト1ハロンで外へ。この序盤のポジション取りと直線で外へ出すロスが敗因だったと思う。これだけレベルの高い一戦だとちょっとした差が大きい。ただ、裏を返せば③着と半馬身差はこの馬の地力の高さを物語っているともいえる。

 キングズガードはスタートひと息で、例によって後方から。道中は内めを回って直線の立ち上がりで外へ。直線は少し内へ行きかけたが、そこから狭いところを割って脚を伸ばし、上がり35秒0はレース最速。8歳でも末脚の破壊力に衰えはなし。

 オメガパフュームは中団で運んで、直線に向くところではゴールドの後ろ。ただ、ゴールドが仕掛けると一気に離されてしまった。持ち時計は詰めており、今日のところは完敗。スピード勝負や上がりが速い流れになると分が悪い。

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。