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第37回 フェブラリーS 回顧

 

 2月23日に東京競馬場で行われた第37回GⅠフェブラリーS(ダ1600m・4歳以上・定量)はモズアスコット(単勝1番人気)が優勝。2018年のGⅠ安田記念覇者がダートでもマイル王に輝いた。鞍上は前走のGⅢ根岸Sから再びコンビを組んでいるC.ルメール騎手。管理する栗東・矢作芳人調教師は昨年12月の有馬記念、ホープフルSに続き、JRAのGⅠを3連勝とした。モズアスコットは米国・サマーウインドファーム社の生産馬。馬主は㈱キャピタル・システム。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

【展開・ペース】 主導権を握ると思われたインティは外に張るような感じで行き脚がつかず、ワイドファラオがGⅢユニコーンSを勝った時と同様、ハナに立つ形に。ただ、内枠のアルクトスも積極策を選択したので、少し競るような展開となって前半3ハロン通過は34秒6。インティが逃げ切った昨年が同35秒8でしたから先行した馬には厳しい流れとなりました。

 

前走からの上積みを感じさせたモズアスコット(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】 モズアスコット(1番人気)は芝スタートだったこともあり、出遅れたGⅢ根岸Sとは違って好発を決めて中団の位置をキープ。道中も内々でスムーズにレースを運び、直線を向くと弾けるように伸びて、危なげのない勝ちっぷりを見せました。

 

モズアスコットの4代血統表

 

 「今日はいいスタートを切れて、インティの後ろのポジションを取ることができました。直線も凄くいい脚を使ってくれて、素晴らしかったです。彼の能力を改めて見せてくれましたし、個人的にも初めてフェブラリーSを勝つことができて嬉しいです」C.ルメール騎手はレース後にコメント。次走に関しては4月4日、豪・ランドウィック競馬場で行われるGIドンカスターマイル(芝1600m)が有力とのこと。まだダート界には未対戦の強豪がいますし、今後の選択肢も更に広がっており、その動向からは目が離せません。

 

 

 正直、驚かされたのは最低人気だった②着ケイティブレイブの健闘でしたが、レース前から今回は出たなりの位置で末脚を生かしたいとの陣営のコメントも出ていましたので、そのプラン通りにレースを運んだ長岡騎手の騎乗ぶりも賞賛に値します。もともと交流JⅠを3勝している実力者ですから、今後も逃げるか、揉まれずにためて末脚を生かすか、メリハリの利いた競馬をすれば好走しても不思議はないでしょう。

 ③着が自分が◎に推していた③着サンライズノヴァ(3番人気)で、返し馬の時から以前よりも落ち着いた雰囲気だったので、これが流れに乗ったレースができるようになった要因だと感じていました。その通りに今回もスタートで出遅れることはなく、前回と違って末脚を生かす戦法も想定通りでしたが、結果的には少しポジションを下げ過ぎたので、4コーナーも外に振られるような形に。同じ脚をためるのでも、勝ち馬を見る位置につけていれば、というのが正直な感想です。

 

大一番で鮮やかに一変したケイティブレイブ(撮影:yu~kun)

 

 ④着ワンダーリーデル(7番人気)は大外枠から一旦、内に潜り込んで、直線は再び外に持ち出す横山典騎手の巧みな騎乗ぶりでしたが、脚を使い切ったところで②着馬について行けなくなり、③着馬にも差される形に。最初から内につけられる枠なら、と惜しまれる内容でしたが、力は出し切ったともいえます。そして今後に向けて強調しておきたいのが⑤着タイムフライヤー(10番人気)のレースぶりで、明らかに差し有利の流れを4コーナー3番手から掲示板を確保したのは立派の一語。左回りのマイルがベストの条件なのかもしれませんが、芝では右回りの中距離でも結果を出していた馬。次走以降の走りに注目したいと思っています。

 

 

                                 text by 五十嵐 友二

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ち馬は前走重賞①着。②着馬は前走が重賞で④着だったが、当時は2番人気と高い支持を集めていた。この条件は来年も使える。ただし、『近年、川崎記念組は活躍しておらず』と記したが、今年は連対馬が出た。来年以降は川崎記念組もしっかりと馬券に絡めたい。

〇馬齢・・・勝ち馬は6歳、そして②着馬は7歳。ともに過去のGⅠフェブラリーSで③着以内に入った実績は持ち合わせていなかった。馬齢と実績を絡めて取捨選択するのは危険。

〇前走時期・・・結論で『前走が前年11月以前だった馬は好走歴がない』と記したが、サンライズノヴァが③着に健闘。前走が前年11月以前だった馬は③着は狙えても連対は難しいと条件を変更したい。

★来年も使えるデータ★

2002年以降、根岸Sで58キロ以上の斤量を背負って連対した馬は僅かに5頭。5頭中4頭は次走、GⅠフェブラリーに出走しているが・・・

2002年 ノボトゥルー 根岸S 59キロ②着 → フェブラリーS③着

2017年 ベストウォーリア 根岸S 58キロ②着 → フェブラリーS②着

2018年 ノンコノユメ 根岸S 58キロ①着 → フェブラリーS①着

2019年 モズアスコット 根岸S 58キロ①着 → フェブラリーS①

複勝率は100%。該当すれば馬券の軸として信頼できる。

 

 
 
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