2020年3月22日(日) 1回阪神9日
注目は何と言ってもキセキが2017年菊花賞以来の勝利を掴めるか、ファンもメンバー的にチャンスと見て単勝は1.6倍の支持。ただ、不安もありました。出遅れた有馬記念のレース直後に角居調教師が、「最近は以前ほど行き脚がつかなくなっていますね。スタートを全然出てくれなかったんですが、それでもよく盛り返してくれました」と述べていたように、まずスタートがポイントでした。
果たして今回もキセキはスタートで大きく出遅れる不利。序盤は最後方からになりました。ハナはドレッドノータス。2番手タイセイトレイルがつけて1000m62秒6は例年と比べても落ち着いた入り。レースが動いたのはスタンド前。抑えきれない感じだったキセキが追い上げに入ります。川田騎手曰く、「出たあとはひたすら暴走していました」と。2周目1コーナーではハナを奪う勢いでしたが、ここで2番手にいたタイセイトレイルが突っぱねてペースが上がります。その後は5ハロン続けて11秒台のラップが並び、逃げたドレッドノータスは3コーナーで早くも苦しくなります。
タイセイトレイルが先頭、2番手にキセキ、その外からムイトオブリガード、ボスジラも追い上げ態勢に入って直線へ。ラスト1ハロンは12秒5とかかり、結果的に名前が挙がった前述の5頭には厳しい展開だったと言えるでしょう。勝ったのはユーキャンスマイル。プラス12㎏でしたが、仕上がりは上々。序盤は中団の後方から。スタンド前でキセキが上がっていき、それにレノヴァールが少し釣られるような感じの時もジッと我慢。この時点で最後方はトーセンカンビーナ、後ろから2番目がユーキャンスマイルでしたが、この2頭がレース最速上がりでワンツー。後ろの競馬でしたね。
ユーキャンスマイルは勝負どころのコーナーワークで距離ロスなく追い上げて、直線に入る頃には2番手キセキの真後ろ。手応えは十分。若干内にモタれながらも馬の間から力強く抜け出して勝利。ふと、岩田康誠騎手が2018年天皇賞春でレインボーラインを勝利に導いた姿が蘇りました。 トーセンカンビーナは手応え以上に渋太い脚。青葉賞しんがり負け以来、2度目の重賞挑戦で②着。流れも向きましたが、立派です。
メイショウテンゲンは直線で少し内にモタれていた分、反応がひと息でしたが、道中は無理のない競馬をしてうまく乗られています。ムイトオブリガードは展開、休み明けでプラス18㎏だったことを考えると中身の濃い④着。キセキはスタート、それと2周目1コーナーからの攻防でハナを奪えずに厳しくなったこともあり、今日は有馬記念以上に競馬になりませんでした。
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。