5月2日に東京競馬場で行われた第27回GⅡ青葉賞(芝2400m・3歳・馬齢重量)はオーソリティ(単勝3番人気)が2分23秒0のレースレコードをマークして優勝L.ヒューイットソン騎手は期間限定騎乗最終週にこのレースを含めて5勝の固め打ちとなった。管理するのは美浦・木村哲也調教師。この結果、オーソリティ、②着のヴァルコスがGⅠ日本ダービー(5/31・東京競馬場)の優先出走権を獲得した。オーソリティは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

▲2分23秒0という勝ちタイムはレースレコード。従来のレコードは2017年にアドミラブルがマークした2分23秒6。

 

【展開・ペース】 当日は3歳1勝クラスの芝1600m戦の勝ち時計が1分32秒1と高速馬場。フィロロッソが主導権を握り、前半1000m通過タイムは60秒4でしたが、馬場コンディションを考慮すれば落ち着いた流れと見ていいでしょう。ただし、残り5ハロン標識を過ぎてからは11秒台のラップが続きました。このため展開利だけで好走するのは難しく、地力勝負となりました。

 

【レース分析】 オーソリティ(3番人気)は前走からマイナス6キロの体重で登場。GⅡ弥生賞ディープインパクト記念当時より体を絞っていい仕上がりに映りました。本番のGⅠ日本ダービーを見据えて、というよりはここにしっかり照準を合わせてきた印象。スタートを決めるとポジションを取りに動いて好位のインを確保。そこでジッと折り合いに専念します。ゆったりしたペースの分、馬群は縦には長くならず。3〜4コーナーにかけて馬込みに包まれて、自然とポジションを下がりました。しかし、十二分に脚が溜まっていたのでしょう。直線に向いてラスト2ハロン標識付近で一気に外へ持ち出すと鮮やかに差し切りました。オーソリティが自慢の脚力を示した格好ですが、位置取りに始まり、折り合い、そして直線で早めに外へ切り替える判断などL.ヒューイットソン騎手の好プレーも見逃せません。

 

▲ゴール前は見応えのある追い比べに。激戦を制したのは外から脚を伸ばしたオーソリティだった。

 

「コーナーで少し(ハミを)噛みましたが、直線はいい脚で伸びてきてくれました。距離が延びても結果を出せて、問題ないことを証明できましたね。もう少しリラックスして走れれば、更にいい脚が使えて楽に勝てていたと思います。毎回、進化している馬なので、これから先も成長が期待できそうです。来日した週に騎乗(GⅡ弥生賞ディープインパクト記念で③着)した馬で、短期免許の最終週に勝てたことには特別な想いがあります。仕上げてくれた厩舎関係者の方々にもおめでとうと伝えたいです」L.ヒューイットソン騎手。初来日でしたが、重賞2勝、そしてGⅠ皐月賞でもガロアクリークに騎乗して③着と大活躍した22歳の名手。日本の競馬ファンにもその名前は深く記憶されました。

 

オーソリティの4代血統表 オルフェーヴル産駒はこれでJRA重賞10勝目となった。性別に内訳を見ると牝馬8勝に対し、牡馬は2勝。牡馬でもう1頭の重賞勝ち馬はエポカドーロ(GⅠ皐月賞優勝)。

 

 ヴァルコスは祖母がウインドインハーヘア(ディープインパクトの母)。血筋の良さを感じさせる好馬体が目立っていました。レース序盤は後方を進み、ペースUPする前、向正面の中ほどから、徐々に押し上げていったあたりは三浦皇成騎手の好判断でしたね。直線の追い比べでは先頭に立つか!?というシーンを作り、中身の濃い②着。フィリオアレグロは、マイナス8キロと体が引き締まり、GⅢ共同通信杯よりも一段上の仕上がり。脚をためて中団のインを追走。直線はラチ沿いから抜け出したわけですが、外を通った①②着馬と馬体が離れていたのは不運。もし、併せる形になっていたなら、結果も違っていたはずです。

 

 

 

                                 text by 京増 真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・③着までの前走を見てみると、勝ち馬は重賞③着(0秒4差)、②着馬は1勝クラス①着、③着馬は重賞③着。来年も上記した取捨の基準で問題なさそうだ。

〇アザレア賞、大寒桜賞組・・・まさにGⅡ青葉賞トライアルと言えるアザレア賞、大寒桜賞(どちらも1勝クラス)だが、今年は同レースの勝ち馬が⑧、⑤着。ただ、アザレア賞と同じ阪神芝2400mが舞台のゆきやなぎ賞を勝ったヴァルコスが連対を果たしている。ということで来年はアザレア賞、大寒桜賞にゆきやなぎ賞の優勝馬も加えて検討するのがベターと言える。

 


 
研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
研究ニュースネット新聞ご購入はコチラをクリック!
 
 

 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かチラをクリック!
 
記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止