2020年6月28日(日) 3回阪神8日

 土曜日は良馬場でしたが、夜間に雨が降ったようで、日曜日の芝は稍重スタート。当日は気温の上昇とともに馬場も回復して、7Rは良馬場で施行されました。ただ、このままいってほしいという思いは届かず、10レース前にスコールがあり、宝塚記念が始まる時には再び稍重に。雨が降った直後ということもあって、かなりタフな馬場でのレースとなりました。

 テン2ハロン目のラップが10秒9。3ハロンでは34秒6。1000m通過60秒0は昨年と同じでも、馬場状態を考えるとかなり速いペース。それまでの競馬から、ある程度のポジションを取りたいという各馬の思惑がペースを上げさせた要因だったかなと思います。結果的に前、内を回った馬は全滅。勝ったクロノジェネシスはスタートから折り合いに専念。うまくブラストワンピースの後ろに収まり、終始馬場のいい外めを走れました。3~4コーナーを唸るような手応えで上がっていき、最後は突き放す一方の圧勝。10㎏増でも太くはなく、パワーアップした馬体、馬場適性、展開など、条件が噛み合って見事な勝利でした。

 キセキはスタートが今ひとつでしたが、鞍上も行く気がなかったようで後方から。結果的にこれがファインプレー。向正面で少し馬群から離して、外からジワジワと進出していきます。このあたり前走で折り合いを欠いた点を踏まえて慎重な騎乗でした。やはり、1度騎乗した経験は大きかったです。勝ち馬に並びかけようとした時には、「これはひょっとすると」と。最後は完敗でしたが、この馬の力は示してくれました。最終追い切りを初めて坂路に替えるなど陣営が復活に向けてうまく仕上げてきたこと、武豊騎手が位置取りよりもノビノビと走らせることを優先させたこと、それに距離短縮も良かったのでしょう。

 3着は12番人気のモズベッロ。データ室でピックアップはしていましたが、キセキは最後に切ってしまい、1着との組み合わせもタテ目……。道中は中団。この馬も自分のペースを守る形で運んでいました。直線は1番人気のサートゥルナーリアに並びかけられそうになるところから、渋太く脚使って逆に突き放しました。サートゥルナーリアは枠順もあって終始馬場の悪い内めを通らされました。4角で外に出して一旦は③着馬に詰め寄りますが、最後は引き離される形。今回のような馬場は良くないのも確かでしょう。ただ、パドックでは落ち着いているというよりも大人しい感じで、少し覇気がなかった点は気になりました。

 ラッキーライラックブラストワンピースは前半で位置を取りに行ったことで、スタミナ切れを起こしたように映りました。特に前者はこういった馬場も不向きなだけに余計に厳しい戦いを強いられることに。それでも勝負どころで見せ場は作ったように地力を感じさせる走りでした。グローリーヴェイズは出遅れて後方から。最後は流していたので大差負けですが、やはり調整面の難しさがあったのかもしれません。

text by 小林  

 

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