競馬 研究ニュース

第66回 オールカマー 回顧

 

 9月27日に中山競馬場で行われた第66回GⅡオールカマー(芝2200m・3歳以上・別定・曇り・稍重馬場)はセンテリュオ(単勝5番人気)が優勝。牡馬相手のGⅡで初めての重賞勝利を収めました。鞍上の戸崎圭太騎手はマイネルラクリマに騎乗した2014年以来となる当レース2勝目。管理する栗東・高野友和調教師にとっては初勝利。この結果、勝ったセンテリュオがGⅠ天皇賞・秋の優先出走権を獲得しました。センテリュオは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 大方の予想通り、長期のブランク明けでも、ジェネラーレウーノがハナを叩いてレース前半はゆったりとしたペースに。この流れを嫌ったカレンブーケドール津村騎手)が動いたことで、ラスト5ハロン目から11秒台のラップが続く展開に。最後は道中でじっくりと脚を溜めていたセンテリュオの差し切りが決まりました。

 

充実ぶりを物語る重賞初制覇

【レース分析】 センテリュオはデビューから大事にレースを使われてきました。5歳を迎えて馬体がパンとして、馬体重こそ前走のGⅢマーメイドSと変化はありませんでしたが、体の造りは上々。滑らかな身のこなしにも好印象を持ちました。じっくりと脚を溜め、父譲りの瞬発力を引き出した戸崎騎手の好騎乗も光りましたね。急坂に差しかかって前を行く面々の脚が鈍ったところを外から強襲。強力な牡馬、GⅠで何度も②着があるカレンブーケドールを撃破。この先に待つGⅠレースが楽しみになる内容でした。

「この馬の力を出し切れたと思います。初めて乗りましたが、乗りやすそうでしたし、リズム良く運べればと思っていました。実際に道中はいいリズムで、手応えも十分でしたよ。ペースは少し遅いかなと思いましたが、横山典弘騎手が動いた時についていけましたし、いいところで我慢できました。前走で②着に来ているように終いはいい脚で伸びてくれましたし、牡馬相手に差し切れたのですから、力のある証拠でしょう。これから楽しみです」戸崎騎手

 

センテリュオの4代血統表

 

地力を誇示したカレンブーケドール

 カレンブーケドールはGⅡ京都記念以来の実戦。目標は次のレースではありますが、無駄肉がなく、まずまずの仕上がりに映りました。ディープインパクト産駒ではありますが、どちらかというと瞬発力型ではないので、早めに動いて直線は追い比べに持ち込みました。迫ってきたクレッシェンドラヴは振り切りましたが、勝ち馬とは馬体が離れていましたからね。僅かに交わされたところがゴール。最後に苦しがって外にモタれていたのは休み明けの影響でしょう。

 

 

 ステイフーリッシュは少しうるさい仕草を見せていましたが、この程度なら許容範囲内。態勢は整っていい仕上がりでした。流れに乗って身上である渋太さを生かせましたが、③着。安定度は高いのですが、重賞を勝ち切るにはワンパンチ足りませんね。クレッシェンドラヴはGⅢ七夕賞以来でも申し分のない仕上がり。ポジションを取りに行って好位のインを追走。結果論になってしまいますが、勝ち馬と同様に、脚を溜めて運んでも良かったのかも知れませんが、流れを考慮し、勝ちを意識しての選択。鋭い脚を使う牝馬2頭の後塵を拝す形になってしまいました。

 

 

                                 text by 京増 真臣

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ち馬は前走GⅢ②着、②着馬はGⅡ②着。来年以降はGⅡ・GⅢ組の狙える条件を前走①着→②着と改めたい。

〇牝馬・・・2017年にルージュバックが優勝し、2015年はショウナンパンドラ、ヌーヴォレコルトがワンツーと牝馬が活躍するレース。実際、2015年以降、GⅡオールカマーには牝馬は9頭出走して[3・2・0・4]。今後も牝馬には要注意。

 

 


 
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