11月8日に東京競馬場で行われた第58回GⅡアルゼンチン共和国杯(芝2500m・3歳以上・ハンデ・曇り・良馬場)はオーソリティ(単勝3番人気)が優勝。GⅡ青葉賞以来の休養明けに加え、3番手から堂々と抜け出して年長馬を撃破。騎乗したC.ルメール騎手、管理する美浦・木村哲也調教師ともに同レースは初勝利。オーソリティは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 ミュゼエイリアンがハナを叩き、前半1000m通過は59秒8。これは2019年よりも2秒以上速いペースでした。今週の東京芝はジョッキーが内側を避けて回るシーンがよく見られたように、馬場が荒れてタフなコンディションでした。流れ、馬場を考えますと、先行した組にとっては厳しい展開でした。

本命に推したオセアグレイトは、活気が感じられ、上々の仕上がり。2番手に陣取ってレースを進めましたが、休み明けに加え、この厳しい流れも応えましたね。直線で息切れしたのは仕方ないところ。例年の傾向通り、今年もスローペースになると考えていましたから、展開を読み間違えてしまいました。

 

 

正攻法で年長馬たちを一蹴

【レース分析】 パドックに登場したオーソリティはニ人引き。しかし、テンションはそれほど上がっておらず、12キロの馬体が増えていましたが、太め感はなく、これは成長分。3番手を進む正攻法の形から抜け出し、最後まで脚いろは衰えず。レース内容は立派の一言。追い切りでは掛かり気味でしたが、速いペースで流れたことは折り合い面を考えるとオーソリティにとっては好都合。今後の活躍が楽しみになる走りでした。

 

オーソリティの4代血統表

 

「休み明けで彼のコンディションが少し心配でしたが、厩舎スタッフが凄くいい仕事をしてくれました。直線に向いた時の手応えは良かったですし、長く脚を使うタイプで少しずつ加速していきました。坂を上がってからはトップスピードになって、最後まで止まりませんでした。この馬で重賞を勝つことができて嬉しいです」C.ルメール騎手。同じように3歳でこのレースを制した2017年のスワーヴリチャードはその後、GⅠ勝ちを収めました。その点からも今後の展望が大きく広がる1勝と言えるでしょう。

 

地力と成長を示した4歳勢

 ②、③着に食い込んだのは4歳の2頭。ラストドラフトは、いい意味でうるささがあり、気持ちがピリッとして体の張りも申し分ありませんでした。ペースが緩まず、馬群が縦長になったことで内枠でしたが、スムーズに外へ出すことができましたね。デビューから連勝でGⅢ京成杯を制した馬。改めて能力の高さを示しました。サンアップルトンは体が絞れて上積み十分。末脚勝負に徹し、直線は外からしっかり差を詰めてきました。今年春のGⅡ日経賞で④着ですから、展開が噛み合えばこれぐらいは走っていい素材です。

 

 

 

 

                                 text by 京増 真臣

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ち馬が前走GⅡ①着で条件をクリアしたが、②着馬は前走がOP特別で⑧着。ただ、ラストドラフトは2走前にGⅡで⑤着に入っていた。複雑になるが、OP特別組は③着以内が取捨のライン。ただし、④着以下でも2走前に重賞で⑤着以内に入っていれば連対を狙える。と変更したい。

〇前走距離・・・②着馬の前走は芝2000m。来年以降は前走が2200m→2000m以上の芝のレースに条件を緩和したい。

〇馬齢・・・オーソリティが勝ったことで2015年以降、3歳馬の成績は[2・0・2・0]。今後も3歳馬が出走してきた際は注目。

 

 

《アルゼンチン共和国杯 2015-19》

 

 


 
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